米中の通商対立は関税合戦で本格化ー双方譲らず長期戦の構え

  • 24日に米中が互いの製品に追加関税発動、米株式相場は下落
  • 中国は今週のワシントンでの貿易協議を取りやめ

Containers sit stacked next to gantry cranes at the Yangshan Deep Water Port in Shanghai, China.

Photographer: Qilai Shen/Bloomberg
Photographer: Qilai Shen/Bloomberg

世界1、2位の経済規模を誇る米中両国が長期で激しくなる恐れがある貿易戦争への備えを固めている。久しぶりに好調となった世界経済は米中貿易戦争の悪影響を乗り切れるか試されることになる。

  トランプ米政権は米東部時間24日午前0時(日本時間同日午後1時)すぎ、通商法301条に基づき中国による知的財産権の侵害に対抗する制裁関税の第3弾として、中国からの輸入品2000億ドル(約22兆5600億円)相当を対象とする10%の追加関税を発動した。中国は直ちに米国製品600億ドル相当に関税を課す報復措置を取った。事情に詳しい複数の関係者によると、中国は今週予定されていたワシントンでの貿易協議を取りやめた。中国指導部の間では、本格的な米中貿易協議は11月の米中間選挙後までは不可能という見方が強まっているという。

MBMGグループの共同創業者兼マネジングパートナー、ポール・ギャンブル氏が米中貿易摩擦についてコメント

デイブレイク:中東。」(出所:ブルームバーグ)

  24日の米株式相場は、米中貿易戦争の長期化という現実に直面し下落した。
  
  中国の王受文商務次官は25日に北京で記者団に対し、協議再開時期は完全に米国次第だと指摘。米国側の輸入制限が協議を失速させており、中国はナイフをのどに突き付けられた状態で交渉を行うことはないと述べた。

  同じ記者会見で国家発展改革委員会(発改委)の連維良副主任は、中国が米国との貿易紛争の影響を打ち消すことができると述べ、内需や投資を拡大し、企業景況感の改善を図る考えを表明した。

  トランプ米大統領は経済界首脳やエコノミストの警鐘をよそに、不公正な貿易慣行や米知的財産権の悪用に対処するため中国に立ち向かう計画から一歩も引かない構えだ。中国の習近平国家主席は米国の関税措置に屈しない姿勢で、中国経済への打撃を緩和する景気刺激策を準備している。

  フィッチ・レーティングスは世界見通しに関する最新リポートで、米中は激しさを増す非難の応酬から、世界経済に打撃を与える行動へと移りつつあると指摘。フィッチのチーフエコノミスト、ブライアン・コールトン氏はリポートに「貿易戦争はいまや現実となった」と記した。フィッチは2019年の世界成長見通しを0.1ポイント引き下げ3.1%とし、さらなる下振れリスクがあると警告した。

  対中関税第3弾の対象品目は冷凍肉からテレビ部品に至るまで多岐にわたる。トランプ大統領は中国が報復措置を講じればさらに2670億ドル相当の中国製品への新たな関税を実施すると警告している。この警告が実行に移されれば、昨年の中国からの輸入額の全てが対象となるため、多国籍企業のサプライチェーンを動揺させかねない。

Shots Fired

U.S.-China trade war is intensifying, based on imposed and threatened tariffs

Source: U.S. Census Bureau and Bloomberg

原題:Trade War Reality Sets In as U.S and China Stick to Their Guns(抜粋)

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