自動車大国・中国からの取引参加に期待-東商取が天然ゴムを新規上場

  • 流通量の多いTSRを10月9日に上場、価格ヘッジの手段提供と社長
  • ブリヂストンは取引の動向注視、住友ゴムは現状活用予定ないと説明

先物商品を取り扱う東京商品取引所は10月9日に天然ゴムの新規商品を上場する。浜田隆道社長は20日、ブルームバーグとのインタビューで、天然ゴム取引は特に海外からの関心が高いとして、主要生産国のタイ、最大消費国である中国からの取引参加に期待を示した。

  新規上場するのは「TSR20」と呼ばれるブロック状の天然ゴム。現在、東商取ではシート状の天然ゴム「RSS3」を上場しているが、世界的にTSRの需要が高まっていることに対応する。

  浜田社長は「TSRはRSSの数倍の規模で取引されており、価格ヘッジの手段を提供することは極めて重要だ」と指摘。原材料価格の市況変動に伴う業績への影響を避ける手段として、タイヤメーカーなどからの需要を取り込みたい考えだ。

  天然ゴムは需要の7割超がタイヤ向け。世界最大の自動車生産国である中国が天然ゴムの最大消費国でもある。かつて、タイヤ生産にはRSSが持つ強度が求められたが、技術改良が進んだこともあり、価格の安いTSRに需要がシフトしている。主産地からの輸出量もTSRの方が大きい。

天然ゴム主要産出国の輸出量推移

出所:東京商品取引所調べ

注:単位は千トン、輸出量はタイ、インドネシア、マレーシアの3か国合計

  取引対象とするTSRは、東商取が承認したタイ産の製品で取引単位は1枚当たり5トン。現物での受け渡しを希望する場合は20トンから。受け渡し場所はタイとマレーシアの港とした。

  天然ゴムの先物商品はシンガポール取引所(SGX)や中国の上海先物取引所(SHFE)でも上場されている。東商取とSGXで取引されるTSRの価格差を捉えて、利益の確保を狙う裁定取引が活発に行われることにも期待する。

  一方、国内のタイヤメーカーからは取引参加に慎重な声が聞かれる。タイヤ生産で世界最大手のブリヂストン広報部は「現時点では市場規模等は不明であり、今後の動きを予測することは困難と考えているが、動向を注視していく」とコメント。住友ゴム工業広報部は「先物商品でのヘッジは行っていないため、東商取のTSRも利用する予定は現状ではない」とした。

  東商取の全商品を合計した2017年の年間出来高は前年比で10%減少した。出来高の回復に向けTSRのほか、電力先物の上場に向けた取り組みを進めるなど、国内外からの多様な市場参加者の参入を促すための施策に取り組んでいる。浜田社長は「TSRが認知されるまで時間がかかるかもしれないが、中長期的にはRSSを超える規模に育ってほしい」と述べた。

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