FOMC、短期的な中立金利水準に注目ー財政刺激で上昇か

  • 財政による成長加速で短期的な中立金利が上昇とブレイナード理事
  • 投資家が想定する中立金利水準は上昇したーBNPのエコノミスト

米金融当局は今週、景気に対して引き締め的でも緩和的でもない中立金利の水準に一歩近づく決定を下す見通しだ。

  連邦準備制度内では中立金利水準を巡り白熱した議論が行われており、当局は長期的には2.3-3.5%との見積もりを示している。理論上、それを上回る水準に金利が上昇すれば景気が冷え込むことになる。逆にその水準に達しなければ、失業が一段と減り、インフレが高進する可能性がある。

  ところが、ブレイナード連邦準備制度理事会(FRB)理事がこの議論に異なる枠組みを与えた。同理事は最近の講演で、長期的な中立金利の水準がどのあたりになるかに重点を置くことから離れ、このところの財政刺激によって経済成長が押し上げられているため、短期的な中立金利は上昇する可能性があるという考えを示した。この考えに基づけば、経済を安定させるにはさらなる利上げが必要となり得る。同理事はこれまで米金融当局の政策シフト時に、その先導役となってきた。

  RBCキャピタル・マーケッツの米国担当シニアエコノミスト、ジェーコブ・オウビナ氏(ニューヨーク在勤)は、こうした状況下ではより高いピークに金利を引き上げる口実を金融当局に与えることさえ可能になると指摘。「米金融当局のゴールポストが何かという議論だ」とし、「これは来年、市場が関心を払うべき討議対象となるだろう」と述べた。

  景気の変化に対応した短期的な中立金利という考えは新しいものではない。米金融当局は連邦公開市場委員会(FOMC)で定期的に短期的な金利見通しを考察している。ただ当局は通常、より長期的な観点から金融政策を説明する。長期的な金利の動きは緩やかで、経済の構造的な力に依存する。

  ブレイナード理事の発言は、同氏がタカ派に傾斜しつつあることを示唆した。同理事はかつて低金利支持派として知られていたが、最近のコメントは、Rスターと呼ばれる長期の中立金利水準をオーバーシュートすることを容認する可能性を示している。米当局は25、26日の2日間にわたってFOMCを開催し、最新の金利予測分布図(ドット・プロット)を公表する。

  BNPパリバ・アセット・マネジメントのシニアエコノミスト、スティーブン・フリードマン氏は「ブレイナード理事の講演前、Rスターについて投資家に質問すると大半の人は、今現在はかなり低い水準だが、上昇するはずだといった話をしていた」と指摘。「理事は多くの投資家の議論をひっくり返してしまった。投資家が想定する中立金利水準は恐らく上昇した」と述べた。

原題:Rising Stars, Higher Rates, and the Future of Fed Communication(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE