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パナソニック復帰から1年余「顧客向いた仕事」で成長へ-樋口氏

  • チャット利用ほぼ100%、東京の本社来訪者3倍に-社内変化を実感
  • 工場自動化、外食も強化-中国で300店舗超の「海底撈火鍋」と提携
Yasuyuki Higuchi
Yasuyuki Higuchi Photographer: Akio Kon/Bloomberg
Yasuyuki Higuchi
Photographer: Akio Kon/Bloomberg

「お客さんを向かず、いったい誰を見て仕事するんや!」。パナソニックで法人向け事業を統括する樋口泰行専務執行役員の口癖だ。20数年前に転出し、2017年4月に経営改革のプロとしてコネクティッドソリューションズ(CNS)社長への登用で戻ってきた同氏は社内改革の手綱を緩めない。

  ダイエーや日本マイクロソフトの構造改革を手掛けた樋口氏がパナソニックに戻り、初めの大仕事として17年10月にCNS本社を東京に移転してから約1年。同氏はインタビューで「われわれの給料は天から降ってこない。全てお客さんのポケットからだ。顧客満足を上げるため最短距離でやれているか」が重要だと強調した。

Panasonic Connected Solutions President Yasuyuki Higuchi Interview

パナソニックCNSの樋口泰行社長

Photographer: Akio Kon/Bloomberg

  樋口氏は1980年にパナソニックに入社。米ハーバード大学経営大学院の経営学修士(MBA)取得後に復職したが、92年にボストン・コンサルティング・グループに転職。2003年の日本ヒューレット・パッカード社長に就任後、経営者としての経験を積んだ。外資流の合理的経営とパナソニックの文化の両方を知る強みを津賀一宏社長に買われ、25年ぶりに古巣に帰った。

  樋口氏は社長室を廃止し、社員と直接やり取りできる社内チャットを普及させた。チャット利用率は就任時の約30%からほぼ100%となり意思決定が迅速化。東京移転の結果、本社への来訪者数も大阪時代の3倍に増え、社内からは「まるでパナソニックとは違う会社にいるみたいだ」という声も聞こえるという。

外食でも自動化

  パナソニックはプラズマテレビ事業の失敗を受け12年に就任した津賀一宏社長がBtoBシフトを宣言した。CNSの17年度売上高は1兆1193億円と4つの社内カンパニーで最少だが営業利益率は9.4%と最も高い。航空機向け電子機器や顔認証システムのほか、物流や工場の自動化などハードとソフトを組み合わせたソリューションビジネスが強み。

  樋口氏はCNSが現在、火鍋で有名な中国のレストランチェーン「海底撈火鍋」の運営会社と合弁で厨房(ちゅうぼう)の自動化計画を進めていると明らかにした。「レストランは手作業が多く、人手不足や賃金上昇で省人化のニーズが高まっている」という。海底撈は1994年設立で中国国内で300店舗以上、日本でも4店舗を展開する。
  
  一方で樋口氏はCNS全体の事業再編の可能性について、「日本企業はいよいよ駄目になってからやめる。もう少し企業価値向上を考えなければいけない」と指摘。判断には現状把握と正確な事業予測が必要だとの見解を示し、具体的な検討内容には触れなかった。

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