日本株僅差の続伸、米経済堅調-テクニカル過熱と安倍大勝は予想通り

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  • 8月の米住宅着工予想以上の伸び、自民総裁選は地方で石破氏善戦
  • 銀行など金融セクター終日堅調、半導体装置など電機や食料品安い

Employees work on the trading floor of the Tokyo Stock Exchange .

Photographer: Kiyoshi Ota/
Photographer: Kiyoshi Ota/

20日の東京株式相場は小幅に5営業日続伸。米国経済統計の堅調が買い材料になり、米長期金利の上昇傾向による利ざや改善期待で銀行、保険など金融株が高い。鉄鋼や非鉄金属など素材株も上昇。半面、テクニカル指標からみた短期過熱感が重しとなった。

  注目された自民党総裁選は安倍晋三首相の得票数が石破茂元幹事長の2倍を超す大勝となったが、安倍3選は事前の予想通りだった上、地方票では石破氏が善戦した面もあり、結果判明後は株価指数が一時的に下げ基調を強めた。

  TOPIXの終値は前日比1.94ポイント(0.1%)高の1787.60、日経平均株価は2円41銭(0.01%)高の2万3674円93銭。TOPIXの5日連続上昇は6月7日以来、3カ月半ぶり。

  岡三アセットマネジメントの前野達志シニアストラテジストは、「米中通商問題の一服で短期筋が売りポジションを解消するトランザクションがある一方、長期投資家は米国の自動車関税への懸念や米中摩擦は長丁場になると考え、長短で見方が分かれる局面にある」と指摘。こうした中でも企業業績に対する安心感は下支え要因となっており、「ドル・円の想定レート1ドル=107円に対し現状の112円前後なら上方修正期待は強い。しばらくは良好な米景気が続く見通しから過度な円高は想定しにくく、今の水準は維持されやすい」と話した。

  米商務省が19日に発表した8月の住宅着工件数は、年率換算で前月比9.2%増と市場予想の5.7%増を上回る伸び。米4-6月期の経常赤字は1015億ドルと前四半期の1217億ドルから縮小した。同日の米10年債利回りは前日に続き3%台で推移し、一時3.09%と5月以来の高水準に達した。きょうのドル・円はおおむね1ドル=112円10-30銭台、前日の日本株終値時点は112円28銭だった。

  野村証券投資情報部の若生寿一エクイティ・マーケット・ストラテジストは、「米国は良好な景気が続いており、長期金利の上昇は自然な流れ。経常赤字の縮小は為替相場でドルがしっかりする要因でもあり、日本株にとってプラス」と言う。

  続伸して始まったこの日の日本株は、朝方の買いが一巡すると伸び悩み。前日までの4連騰中に日経平均は合計で1000円以上上昇、テクニカル指標の相対力指数(RSI)は過熱圏を示す70%を超え、ボリンジャーバンドは上限突破と目先の損益を確定する売り圧力が高まりやすかった。証券ジャパンの大谷正之調査情報部長は、「日経平均2万3000-2万4000円のレンジは真空地帯で、戻り待ちの売りは出にくいが、さすがに上昇スピードが速い」としている。

  午後2時すぎに結果が判明した自民党総裁選は、安倍首相が石破氏を破り連続3選を決めた。ただ、地方票で石破氏が4割以上を獲得するなど善戦し、日経平均は一時90円安まで弱含む場面もあった。両候補の得票数は安倍首相553票、石破氏254票。岡三アセットの前野氏は、首相3選による「材料出尽くし感から利益確定売りが出やすく、市場の注目は今後の日米通商協議や米中貿易摩擦に移る」と指摘した。

  • 東証1部33業種はその他製品、銀行、鉄鋼、非鉄金属、証券・商品先物取引、保険、電気・ガス、不動産など19業種が上昇、下落はパルプ・紙、空運、金属製品、食料品、化学、陸運、電機、精密機器、石油・石炭製品など14業種
  • 売買代金上位では任天堂や三菱UFJフィナンシャル・グループ、コマツ、日立建機。昭和電工が高く、スクウェア・エニックスと過去タイトルの完全新作ゲームアプリを共同開発したアカツキは急騰
  • 半面、野村証券が韓国サムスン電子の設備投資再度見送りの影響を警戒、SMBC日興証券による目標株価引き下げが重なった東京エレクトロンやSCREENホールディングスが安い、SUMCOやアルプス電気も下落
  • 東証1部の売買高は16億7342万株、売買代金は2兆9831億円、値上がり銘柄数は1090、値下がりは932
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