米国債利回り、ついに本格的な上昇開始か-10年債が一時3.09%

米国債利回りがついに本格的な上昇を始めたのかも知れない。米国債は今週に入ってから全ての年限で利回りが大きく上昇。特に長期・超長期債での上げが目立つ。

  10年債利回りは市場参加者が節目の一つと見なしてきた3%を超えて推移し、19日には一時3.09%と、5月以来の高水準に達した。今年これまで見られてきたイールドカーブ(利回り曲線)のフラット化にも変化が生じ、一部の年限の利回り差はこの1カ月余りの最大に広がった。

  通商を巡る対立が本格的な貿易戦争に発展する恐れがあるという投資家の懸念は和らぎつつある。米中は相手国製品への新たな関税措置をそれぞれ発表したが、中国の李克強首相はその後の演説で、輸出競争力向上のために人民元を切り下げることはないと述べた。

  米経済の堅調さでセンチメントも改善されつつある。利上げに関する米金融当局の見通しと投資家の予想も接近してきた。世界的な株価上昇を受け、安全な国債に資金が向かう質への逃避需要も後退、これが米国債利回りへの上昇圧力となっている。

  アカデミー・セキュリティーズのマクロ戦略責任者、ピーター・チア氏は「われわれはこれまでの状況を抜け出しつつある」と指摘。「米金融当局が長期にわたって低金利を維持し、イールドカーブが平たんな状態が続いたことに市場はやや安心しきっていた。現在は、世界の経済成長にとって好ましい通商面での合意がまとまる可能性が高いとみる人も増えている」と述べた。

  同氏はその上で、10年債利回りは、5月に付けた今年これまでの最高水準である3.13%に向かって上昇し、向こう数週間で3.25%に達すると予想した。

  資産運用会社ルーミス・セイレスの副会長でベテラン債券運用者であるダン・ファス氏は、年内に恐らく3.45-3.5%に上昇するとみる。同氏は貿易戦争の影響も勘案し、関税と新たな制裁は通常、経済活動を下押しし物価上昇につながるとして、スタグフレーションに陥る可能性を指摘した。

原題:Treasury Yields Take Flight, Setting Up Big Shorts’ Rewards (1)(抜粋)

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