コンテンツにスキップする

米国務長官、米朝協議再開呼び掛け-21年までの非核化完了目指す

更新日時
  • 南北首脳会談での進展に勇気づけられたとポンペオ長官
  • 平和宣言に同意するかどうかトランプ大統領が決断する番だと識者

ポンペオ米国務長官は19日、南北首脳会談での進展に勇気づけられたとして、米朝協議再開を呼び掛けた。トランプ大統領の1期目の任期切れまでの非核化完了を目指すとした。

  ポンペオ長官は声明で、国際査察官の立ち会いの下でミサイル試験場を廃棄するほか、米国が相応の措置を取った場合には寧辺の核施設を廃棄するとした北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の公約を米国は歓迎すると表明した。

  ポンペオ長官は米国は近く相応の措置を取る可能性があると示唆。「これらの重要な公約に基づき、米国は米朝関係を転換するため直ちに交渉に入る用意がある」とした。

  ポンペオ長官は来週のニューヨークでの国連総会に合わせた会談を北朝鮮の李容浩外相に呼び掛けたほか、北朝鮮当局者をウィーンでのビーガン北朝鮮担当特別代表との会合に招請。2021年までの非核化と「朝鮮半島の永続的かつ安定した平和体制」の確立を目指すプロセスを始動させた。

  「朝鮮半島の永続的かつ安定した平和体制」という文言は両国が朝鮮戦争を終結させる平和条約を説明する際に用いられてきた。北朝鮮は平和条約を求めているが、米国は平和条約が結ばれれば在韓米軍撤退の圧力が高まるとの懸念からこれまで消極的だった。

  米国の今回の動きは平壌での南北首脳会談を受けたもので、韓国大統領が平壌を訪れたのは11年ぶり。

矛盾点

  ポンペオ長官の声明と、南北首脳が署名した共同宣言は共にさまざまに解釈可能であると同時に、米国と南北の声明が食い違っているのではないかとの疑念が生じている。例えばポンペオ長官は声明で、「米国と国際原子力機関(IAEA)の査察官の立ち会いの下」、寧辺の核施設を廃棄する公約を米国は歓迎すると述べた。

  しかし南北共同宣言にはそのような公約はなく、米国やIAEAなどからの査察官にも言及しておらず、「米国が相応の措置を取れば」寧辺の核施設を廃棄する可能性があるとしているだけだ。

  ワシントンの戦略国際問題研究所(CSIS)のシニアアドバイザー、ビクター・チャ氏は、「極めて大きな矛盾だらけだ」と指摘した。

  実際、ポンペオ長官の楽観性と自信に満ちた声明は、トランプ大統領自身の金委員長は「核査察受け入れに合意した」との誤ったツイートと相まって、米朝は別個で非公開協議を進めており、そこで別の合意がなされたのではないかとの臆測が北朝鮮アナリストの間に広まった。

  専門家の中には、ポンペオ長官はトランプ大統領の興奮ぶりに合わせようとしただけだとの見る者もいる。ポンペオ長官は米朝合意の見通しについて慎重になるべきだと繰り返し指摘してきたが、トランプ大統領は北朝鮮の核の脅しは終わったとし、金委員長との合意に自信を示している。

  ブルッキングズ研究所の東アジア上級研究員、ジュン・パク氏は、ポンペオ長官の「声明は大統領が南北首脳会談の結果に歓迎の意を表した数時間後に出されたことから、ポンペオ長官は場の空気を読んだと私はみる」と発言。ポンペオ長官の「声明はまた、平壌宣言の文言をねじ曲げ、実際よりも重要そうに見せている」と指摘した。

  米国務省のナウアート報道官に声明の矛盾点について説明を求めたがこれまでに返答はない。

  韓国の文在寅大統領は24日にニューヨークでトランプ大統領と会談し、南北首脳会談の結果を説明する予定。

原題:U.S. Seeks to Jumpstart Talks With North Korea After Summit (1)(抜粋)

(7段落以降に共同宣言と米国務長官声明の矛盾点などを追加して更新します.)
    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE