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トランプ氏関税、不安は貿易でない-中国政府「対中封じ込め」懸念

  • 中国製品全てへの関税導入後は体系的な封じ込めだろう-中国当局者
  • 中国政府の選択肢は限定的、対話の扉を閉ざさず

トランプ大統領による新たな関税で、中国政府の不安は貿易への影響にとどまらない。むしろ、中国の台頭を阻止しようと、トランプ大統領が長期的な争いにひたすら向かう展開が懸念されている。

  トランプ氏は中国からの輸入品約2000億ドル(約22兆4000億円)相当に10%の追加関税を課すと発表し、中国が報復すればさらに対象品目を増やす意向を示した。これに対して中国は18日、600億ドル相当の米製品を対象に、米国の追加関税発動と同時に報復関税を賦課すると表明した。

  中国政府当局者によると、政府内ではトランプ政権がすべての中国製品に関税を課す事態に備えており、中国に圧力を掛けるため米国が軍事、テクノロジー、金融面の優位性を活用し始めると見込んでいる。

  匿名を条件に語った関係者は、「すべての中国製品に関税を導入した後、トランプ大統領に何ができるだろうか。その後に来るのは体系的な封じ込めと抑圧だろう」と述べた。

アリババ会長の馬雲氏は、米中貿易戦争の影響は大半の人々が考えるよりも長く続き、影響は大きくなるだろうと語った

Daybreak: Americas." (Source: Bloomberg)

  香港・嶺南大学アジア太平洋研究センター長の張泊匯氏は「中国エリート層の間では、トランプ氏の貿易戦争は単に貿易の公平性や貿易収支の問題だけではないと考える向きが増えている」とし、「むしろ中国の長期的な勢力軌道を変えさせようとする封じ込め政策だ」と説明した。

  表向き、中国指導部はエスカレートするトランプ氏の脅しに対して自信を示している。中国証券監督管理委員会(証監会)の方星海副主席は18日、天津市で開催されている夏季ダボス会議のパネル討論会で、トランプ氏が全ての中国製品に輸入関税をかけようとも中国経済は良好だと語った。

  だが、実態は不安材料が多い。景気の勢いは8月に再び鈍化。1-8月の固定資産投資の伸びは少なくとも1999年以来の低水準で、インフラ投資の伸びは統計を開始した2014年以降で最低。景気の弱さは中国が米国と完全に対話の扉を閉ざしていない理由の1つと見られ、外務省の耿爽報道官は交渉を排除していないと言明。匿名を条件に語った政府関係者1人は、米国とは衆目を避け非公式に会合を持つ方がいいかもしれないとの認識を示した。

  今のところ中国指導部の打つ手は限られている。あらゆる手段を使って報復すれば、さらなる挑発を招き国内経済を損ねる恐れがある。簡単に妥協すれば弱さを見せることになり、トランプ政権の要求が増したり、習主席が国内で植え付けようとしている強い指導者像に傷が付いたりする可能性がある。

原題:In New Trump Tariffs, China Sees Master Plan to Thwart Its Rise(抜粋)

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