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日銀会合注目点:黒田総裁が緩和持続性強化策を検証-政策は維持予想

  • 安倍首相は出口着手に意欲、黒田総裁の受け止めは
  • フォワードガイダンスに不明点も-効果や期間

日本銀行は19日、金融政策決定会合を開き政策運営方針を発表する。前回会合から2カ月近くが経過し、新たに導入した金融緩和の持続性強化策の効果について、黒田東彦総裁が説明する見通しだ。金融政策は現状維持が予想されている。

  7月会合では、「当分の間、現在の極めて低い長短金利の水準を維持する」としたフォワードガイダンス(政策金利の指針)が初めて導入された。同時に、長期金利や指数連動型投資信託(ETF)買い入れ額の変動を容認。日銀は修正を「強力な金融緩和継続のための枠組み強化」と説明しているが、市場関係者の間では「ステルステーパリング(隠れた緩和の縮小)」との見方が強い

  安倍晋三首相も14日、異次元緩和を「ずっとやっていいとは全く思っていない」と述べ、出口への着手を「私の任期のうちにやり遂げたい」との考えを示した。総裁会見では、首相発言の受け止めについても説明を求められそうだ。

  フォワードガイダンスについても、改めて詳細を問われる見通しだ。将来の政策を約束する効果や具体的な期間など明確になっていない点が多く、市場でも見方が分かれている。関係者によると、市場が円高、株安に反応するのを避けるため、影響力が強い外国人投資家の目を意識し採用された。

  市場は、指数連動型投資信託(ETF)の買い入れ方針の説明も注視している。8月の通常ETF購入額は1406億円と、買い入れ額増額を受けた2016年8月以降で最も少ない。関係者によれば、株式市場が好調で買い入れ額が年間約6兆円の目標を大幅に下回る状態が続けば、日銀は目標自体を減額する可能性がある。

  フォワードガイダンスと長期金利の変動幅拡大に反対した片岡剛士、原田泰両審議委員の動向も焦点。政策委員会は正常化を目指す主流派と一層の緩和を求めるリフレ派で割れている。原田委員は前回会合で、変動幅拡大は「政策委員会の決定すべき金融市場調節方針としてあいまいすぎる」と批判した。

  米トランプ政権が仕掛ける貿易戦争への懸念も高まる。米国は17日、中国からの輸入品約2000億ドル(約22兆4000億円)相当への10%の追加関税を来週発動させると発表。月内に予定されている日米首脳会談で自動車関税の引き上げも議題に上る見通しだ。日銀がリスク要因と認識すれば、先行きの政策運営にも影響が及びそうだ。

ブルームバーグの事前調査の結果はこちら

  ブルームバーグがエコノミスト51人に行った事前調査は全員が現状維持を予想した。追加緩和か引き締めに関わらず、次の政策変更が行われるのは2020年以降との回答が57%と、8月に行った前回調査から変わらなかった。

  会合は従来、おおむね正午から午後1時の間に終了している。黒田総裁は午後3時半に記者会見を行う。 

注目点
理由
副作用対策7月会合で導入した長期金利やETF買い入れ額の変動容認など、市場機能改善策が所期の効果を発揮しているかどうか精査する。
首相発言安倍首相は出口着手に意欲
フォワードガイダンス将来の政策を規定する効果や具体的な期間など明確になっていない点が多い
ETFの買い入れ関係者によると、株価好調で買い入れ額が目標を大幅に下回る状態が続けば、日銀は目標自体を減額する可能性も。
反対委員7月会合では片岡、原田両委員が反対。
リスク要因米トランプ政権が仕掛ける貿易戦争への懸念が高まっている。

前回の決定内容

  • フォワードガイダンス「当分の間、現在の極めて低い長短金利の水準を維持する」
  • 長期金利(10年物国債金利)の誘導目標は「0%程度」、経済・物価情勢等に応じて上下にある程度変動しうる
  • 短期金利(日銀当座預金の一部に適用する政策金利)は「マイナス0.1%」
  • 長期国債買い入れ(保有残高の年間増加額)のめどは「約80兆円」
  • 指数連動型上場投資信託(ETF)買い入れは年間約6兆円、市場の状況に応じて上下に変動しうる、不動産投資信託(J-REIT)買い入れは同900億円
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