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8月貿易収支は2カ月連続の赤字、原油高で輸入が大幅増

更新日時
  • 貿易収支は4446億円の赤字、予想中央値は4832億円の赤字
  • 輸出は前年比6.6%増の6兆6916億円-予想は5.2%増

輸出から輸入を差し引いた日本の貿易収支は8月速報で2カ月連続の赤字となった。原油高で輸入が大幅に増加し、輸出を上回った。財務省が19日発表した。

キーポイント

  • 貿易収支は4446億円の赤字(ブルームバーグ調査の予想中央値は4832億円の赤字)-前月は2319億円の赤字
  • 輸出は前年比6.6%増(予想は5.2%増)の6兆6916億円と21カ月連続の増加-前月は3.9%増
    • 輸出数量指数は1.1%増と6カ月連続の増加
  • 輸入は15.4%増(予想は14.5%増)の7兆1362億円と5カ月連続の増加-前月は14.6%増


輸出入の推移

背景

  米国の保護主義的な政策に端を発した貿易摩擦の激化は、世界経済の先行きに影を落とす。米国は7月から中国製品に対する追加関税を導入し、中国も対抗措置を実施。米国は17日には、中国からの輸入品約2000億ドル(約22兆4000億円)相当への10%の追加関税を来週発動させると発表した。

  日本にとっても対岸の火事ではなく、月内に予定されている日米首脳会談では自動車関税の引き上げが議題に上る見通しだ。茂木敏充経済再生担当相とライトハイザー米通商代表部(USTR)代表による2回目の日米通商交渉(FFR)も今月下旬に開かれる。

  政府は8月の月例経済報告で、輸出の判断を3年ぶりに下方修正。9月には貿易・サービス収支の黒字も「おおむね横ばい」から「減少傾向」に変更した。景気の先行きは通商問題に加え、相次ぐ自然災害による影響を留意点に挙げた。

エコノミストの見方

  • ゴールドマン・サックス証券チーフ日本株ストラテジスト、キャシー・松井氏は「保護主義の脅威がより先鋭化していることは、日本の輸出業者にとって明らかにリスクだ」と分析。米国が自動車輸入関税を導入した場合の日本への悪影響は大きく、中間選挙が予定される中、「現時点では多くの予測できない要素がある」と指摘した。
  • 大和総研経済調査部の広野洋太研究員は、米中が繰り広げる貿易摩擦について、現時点では「日本への影響は大きくない」との見方を示した。ただ保護貿易主義が世界的に広がった場合は「不透明感でセンチメントが悪化することによる影響は今後ある」とみている。

詳細

  • 半導体等製造装置(34.3%)、自動車(5.3%)の輸出が増加
  • 原粗油(59.6%増)、液化天然ガス(28.6%)の輸入が増加
  • 米中貿易戦争の直接影響が出ている項目は認識していないと財務省担当者
  • 対米貿易収支は2カ月連続減少、14.5%減の4558億円の黒字
    • 鉄鋼輸出数量は4カ月連続、自動車輸出数量は3カ月連続の減少-内外の経済情勢や資源価格などさまざまな要因の影響を受けるため原因は一概には言えないと財務省担当者
    • 航空機類(513.6%増)や液化天然ガスの輸入が増加
(エコノミストコメントを差し替え、詳細を追加しました.)
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