ドル・円が1カ月半ぶり高値から反落、安倍首相の緩和出口発言で

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  • 朝方に付けた112円08銭から一時111円79銭まで円高に振れる
  • 米中貿易摩擦などリスク要因残り、短期の売買が中心-ソニーFH

東京外国為替市場のドル・円相場は1カ月半ぶり高値を付けた後に小反落。米中通商協議再開への期待や新興国通貨不安の後退を背景にリスク選好に伴う円売りが先行したが、安倍晋三首相の異次元緩和の出口を巡る発言を受けて円買い優勢に転じた。

  14日午後3時10分現在のドル・円は前日比0.1%安の1ドル=111円86銭で、一時111円79銭まで下落した。安倍首相は日本記者クラブ主催の自民党総裁選の候補者討論会で、異次元緩和について「ずっとやっていいとは思っていない」と述べた。朝方は米株の上昇を背景にドル高・円安が進んだ前日の海外市場の流れを引き継ぎ、112円08銭と8月1日以来の高値を付けていた。

  ソニーフィナンシャルホールディングスの石川久美子為替アナリストは、ドル・円は米中貿易摩擦やトルコなどへの懸念の緩和で市場全体がリスク選好となり押し上げられたが、リスク要因自体は根強く残っているとし、「がんがん円を売ってリスクを取っていくようなムードでもない」と説明。ドル・円の上昇も「あくまで短期の売買」が中心で、安倍首相の発言のようなものが出れば、週末を前に利益確定のドル売り・円買いも出やすいと話した。

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  クロス円(ドル以外の通貨の対円相場)も朝方の上げを解消。ユーロ・円相場はドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁が景気の先行きに楽観的な見通しを示したことや大幅利上げを受けたトルコ・リラの反発を好感した前日の海外市場の流れを引き継ぎ、1ユーロ=131円04銭と8月1日以来の高値を付けた後、130円71銭まで反落。英国の欧州連合(EU)離脱交渉の合意期待を背景に一時8月1日以来となる1ポンド=147円台を付けたポンド・円相場も146円台後半へ伸び悩んだ。

  ユーロ・ドル相場は同時刻現在、ほぼ変わらずの1ユーロ=1.1693ドル。ドラギ総裁会見や米消費者物価指数(CPI)が予想を下回ったことを受け、2週間ぶりの水準となる1.1701ドルまでユーロ高・ドル安が進んだ海外市場の流れが一服し、この日の米小売売上高などの発表を控えて1.16ドル台後半で小動きとなった。

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