世界揺るがした信用危機から10年、米住宅ローン市場回復も懸念残る

  • MBSは危機前と比べ確実に安全性増す-米当局やGSEが支援
  • 当局による支援縮小と規制緩和の方向が不安あおる

信用危機から10年がたち、世界の金融システムを崩壊寸前に至らせた主因とされる米住宅ローンのセクターは今、比較的質の高い市場とみられている。同市場には投資家が再び集まっているが、同時に懸念も浮上している。

  住宅ローン担保証券(MBS)は現在では大半を米政府支援機関(GSE)が支えており、10年前と比べると間違いなく安全性が増した。GSE以外が発行するリスク高めのMBSの比率が急低下し、融資基準も改善。安定性と投資機会を求める買い手によって、市場は拡大してきた。
  

Where the Wild Things Were

Non-agency share of issuance has yet to recover post-crisis

Source: JPMorgan Chase & Co.

  しかし、市場がかつてない規模に膨らむ中、参加者は軟化の兆しに身構えている。米金融当局はかつて救済した同セクターへの関与を減らしつつあり、ボラティリティーが高まるのではないかとの懸念が浮上。また、住宅は値上がりと金利上昇で買いにくくなり、米政権が規制緩和のさらなる方法を探る中で、金融機関がかつてのあしき慣行に戻るのではないかと心配する向きもある。

  TCWグループのポートフォリオマネジャー、ブライアン・ホエーレン氏はGSEの間で「引き受けの質低下が明らかに見られる」と述べた。同社によると、住宅購入を後押しするプログラムと引き受け基準の緩和がローン組成に表れている。例えば、不動産評価額に占める借入金の割合が90%超の30年物ローンの比率は2010年の5%から今では35%に増えた。さらに、返済負担率(DTI)が鍵となる43%を上回る住宅ローンの割合が拡大しているという。

原題:Mortgage-Market Revival Creates New Risks a Decade After Lehman(抜粋)

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