みずほFGが株式資本市場部門強化、「スター級」採用やアナリスト活用

  • 外部の若手アナリストと面談、バンカーとしての起用を検討
  • 市場部門の投資家情報を活用、ディール獲得へ-長手共同本部長
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

みずほフィナンシャルグループは投資銀行業務の一つである株式資本市場部門(ECM)を強化する。スター級バンカーの起用やアナリストの活用などにより国内トップの野村ホールディングスと競える体制を構築したい考えだ。

  傘下のみずほ証券は3月までに、公募増資などの分野で経験値の高い有力バンカーを競合他社から起用する計画だ。採用は5人を上回る見通し。グローバル投資銀行部門プロダクツ本部の長手洋平共同本部長(50)が明らかにした。

  長手氏はブルームバーグの取材に対し、「みずほが一番弱いECM、そこを強化する。それがミッションだ」と述べた。また、「外部からスター級、専門職の強い人間をとっていく」ため、競争力のある報酬を払う方針を示した。

  バンカーの採用に加え、みずほ証では海外機関投資家や国内の発行体の動向を熟知しているアナリストやセールスを最大限活用する考えだ。バンカーはこうした情報や知見を法令を順守しながら吸収し、発行体に最良の資金調達手段を提案するなど、営業活動に役立てる。

呪縛

  日本では2012年に発覚した公募増資インサイダー事件で、野村を含む複数の証券会社などが行政処分を受けた。その後、過剰にコンプライアンスを意識するようになった証券各社では、投資家保護やマーケットの健全性に役立つべき情報が、市場部門から投資銀行部門に供給されにくくなったという。

  長手共同本部長は、「インサイダー事件以降、みな保守的になり、本来流れるべき情報も伝わらなくなっている」と指摘。みずほ証では今後、「コンプライアントな形でアナリストの投資家情報を有効に活用」、世界のどのような投資家がどんなプロダクトに関心があるか熟知することで、株式や債券発行の際の売れ残りを防ぎ、発行体の名声を守るなど、ディール獲得上「相当な武器になる」と語った。

アナリストがバンカーに  

  ブルームバーグの集計によれば、2018年の日本企業を発行体とする株式関連の引き受けランキングでは、みずほFGが5位と、三井住友フィナンシャルグループ、野村、大和証券グループ本社、JPモルガン・チェースの後塵を拝している。債券分野ではみずほFGは同期間トップ。

  みずほ証では、現在他社に在籍する複数の若手アナリストと面談し、アナリストとしてではなく、企業の合併・買収(M&A)助言、またはカバレッジバンカーとして採用しているという。

  同社は昨年、業界のトップアナリストで、メリルリンチ日本証券で運輸を担当していた土谷康仁氏を、投資銀行本部の社会インフラセクターのバンカーとして起用するなど、セカンダリーからプライマリーへの壁を打破、投資家の情報を適切に投資銀行業務で活用する体制整備に着手している。

英語記事: Mizuho Equity Veteran Turned Dealmaker Wants Analysts to Do Same

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