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【FRBウオッチ】利上げは景気の寿命を短縮、物価もピークアウトか

  • 8月のCPIはベージュブックの「物価上昇減速の兆候」を裏付け
  • 気付いた時には景気の山から転落ということになりかねない

米連邦準備制度理事会(FRB)が12日に発表した地区連銀経済報告(ベージュブック)では、「物価上昇ペースは緩慢ないし緩やかになり、一部に減速の兆候が現れた」と、インフレがピークアウトする方向性が示唆されていたが、8月の消費者物価指数(CPI)はこの記述を裏付けた。

  8月のCPI総合指数は前年比で2.7%上昇と、前月の2.9%上昇から0.2ポイント低下した。特に、被服費は前月比で1.6%も低下し、マイナス幅は1949年1月以来の最大を記録している。CPIの全構成要素の8.6%を占める医療費が2カ月連続して0.2%のマイナスを記録したことも無視できない。

1947~2018年8月、赤の縦じまは景気後退期

  米金融当局者は今月の連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利上げする方向性を示唆しているが、景気拡大期が終局に接近する中で、その寿命を縮めかねない。

  今回の景気拡大局面ではFOMCは2015年12月の会合でゼロ金利を解除し、それから16年に1回、17年に3回、18年にこれまで2回と、CPIの緩慢な上昇ペースと歩調を合わせて緩やかに利上げしてきた。

2003年~2018年8月、赤の縦じまは景気後退期

  米金融当局者が四半期ごとの経済予測で示すドット・プロット(金利予測分布図)は、今年あと2回の利上げと、19年の3回の利上げを示唆している。この予測に基づくと、インフレが再加速しない限り、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標(現行1.75-2.0%のレンジ)とCPIが逆転する可能性が高い。そうなると金融引き締めが進むことになる。

  これは前回の景気拡大局面の終わりと同じパターンだ。今回は歴史的にインフレ率が低くなっているため、金融当局者はゆっくりと利上げができると考えてきた。しかし、インフレ率が低いのは米経済の基礎代謝が低下してきたためで、緩和でも引き締めでもない中立金利もその分、低くなっている。

  金利水準が低いため、なお緩和的と考えて利上げを継続していくと、気付いた時には景気の山から谷に向かって滑り落ちていたということになりかねない。これは「いつか来た道」である。

(【米FRBウオッチ】の内容は記者個人の見解です) 

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