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日銀の「フォワードガイダンス」強調、外国人投資家を意識

  • 発表文の冒頭部分に明記、表題も英語で作成し日本語に翻訳
  • 金融市場が正常化と受け止め円高、株安に反応するのを避ける目的
BOJ Headquarters and Governor Haruhiko Kuroda News Conference as Bank Holds Interest Rates
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg
BOJ Headquarters and Governor Haruhiko Kuroda News Conference as Bank Holds Interest Rates
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

日本銀行の7月決定会合発表文の「フォワードガイダンス(政策の指針)」という表現は、市場が円高、株安に反応するのを避けるため、影響力が強い外国人投資家の目を意識し初めて採用した。日銀内の議論に詳しい複数の関係者への取材で明らかになった。

  非公開情報のため匿名を条件に語った複数の関係者によると、外国人投資家に緩和強化と受け取られるフォワードガイダンスという表現を選び、発表文の冒頭部分に明記した。「強力な金融緩和継続のための枠組み強化」という発表文の表題も、まず英語で作成した後、日本語に翻訳したという。日銀は発表文を日英同時に公表する。

  フォワードガイダンスは米連邦準備理事会(FRB)がリーマンショック後に緩和継続を示すために採用し、外国人投資家にとってなじみのある表現だ。日銀の発表文では「当分の間、現在の極めて低い長短金利の水準を維持する」と公約した。

  日銀の政策修正は長短金利操作の導入以来約2年ぶりだったが、外国人投資家対策が功を奏し、結果発表後も為替、株式市場は小動きに終始した。政策決定から6週間たった段階でブルームバーグが実施した調査では、回答者の8割が一連の修正を「ステルステーパリング(隠れた緩和の縮小)」と受け止めている。

  ソニーフィナンシャルホールディングスの菅野雅明チーフエコノミストは調査で、フォワードガイダンスを前面に押し出したことで、日銀は長期金利の上昇容認など「実質的な引き締め方向への政策転換という要素を薄めようとした」と指摘。市場は真意を測りかね、結果として値動きは限定的だったため、「日銀の作戦はある程度成功した」とみている。

  日銀は将来の政策方針を示す手法を諸外国に先んじて採用しており、1999年2月のゼロ金利導入後に「デフレ懸念が払しょくするまで続ける」、2001年3月の量的緩和導入時に消費者物価の前年比が「安定的にゼロ%以上となるまで継続する」と宣言した。早期の正常化観測を鎮め、長期間緩和を続けるとの意思表示で、当時は時間軸やコミットメント政策と呼んでいた。

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