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金融で貧困連鎖を断ち切るーノーベル平和賞のグラミン銀行が日本拠点

更新日時
  • シングルマザーらに起業や就労準備の資金提供
  • 初回は最高20万円、障害者やホームレスも視野に支援へ
Tokyo Skyline As Bank Of Japan Releases Third-Quarter Tankan Report
Photographer: Akio Kon/Bloomberg
Tokyo Skyline As Bank Of Japan Releases Third-Quarter Tankan Report
Photographer: Akio Kon/Bloomberg

生活困窮者に無担保で融資するバングラデシュのグラミン銀行が13日、日本で事業を開始した。金融を通じて貧困層を救済した功績からノーベル平和賞を受賞した同行が、国民の6人に1人が貧困ライン以下で生活する日本で、シングルマザーらの自立を支援する。

  同日設立されたグラミン日本の菅正広理事長(明治学院大学大学院教授)が同日都内で会見した。融資の対象は年間約122万円以下で暮らす生活困窮者。借り手は5人1組となって互助グループを作り、起業や就労準備のための資金を借り受ける。限度額は初回は20万円。返済期間中は毎週グラミン日本のスタッフと会合を持ってアドバイスを受ける。グラミン日本は、当初は貸金業者として活動し、10年後には預金取り扱い金融機関への移行を目指す。5年後の単年度黒字化を目標としている。

  グラミン銀行は、1983年の設立以来、連帯責任の下で返済を促すことで貸し倒れ率を低く抑えながら貧困層の自立を支援してきており、創業者のムハマド・ユヌス氏とともに2006年にその功績を認められてノーベル平和賞を受賞している。

  菅氏は、日本での事業について「融資対象に制限はないが、シングルマザーやワーキングプアの方々への支援から始めたい」と述べるとともに、将来的に障害者やホームレスの人も支援したいと抱負を語った。日本では親の年収が高いほど子供の大学進学率が高く、また中卒・高卒の約半数が非正規雇用との統計から「貧困が連鎖・固定化する構造」にあり、シングルマザーの支援は、これを断ち切ることにもつながるという。

  厚生労働省によると、国内では一人親世帯の半数が貧困家庭となっている。グラミン銀行の昨年12月時点の融資対象者は890人で、うち97%が女性だった。

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