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ドルは上昇する米国株頼り、「脆弱な」基盤浮き彫りに-TD

  • 株高が米連邦準備制度の政策よりドルの動きに関係
  • 株価を支えているのは自社株買いや財政刺激など「一時的要因」

米ドルを動かしているのは何だろうか?米連邦準備制度のことは忘れて、株式市場に注目してみよう。

  TDセキュリティーズによると、最近は米国株の急上昇が米金融引き締めよりはるかに大きな力で米ドルをけん引している。為替戦略北米責任者、マーク・マコーミック氏は11日付リポートで、「米国株が運転席に移動したのは明らかだ」と指摘した。

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  世界の他の地域と比較したドルと米国株の3カ月間の相関関係は強まっている。一方、ドルと他の先進国の短期金利スプレッドの相関関係はマイナスに転じた。

  マコーミック氏の分析によると、リターンが向上していることで日本を中心に海外の投資家がヘッジなしのベースで米国へのエクスポージャーを高めている。高い金利ではなく高いリターンがドルの大きな追い風だ。こうした傾向は2015年夏にも見られた。当時、中国・人民元の実質切り下げが新たに安全資産への逃避を招き、新興市場資産は激しく打ちのめされた。

  マコーミック氏は「自社株買いや財政刺激、FANG銘柄の突出した株価動向、企業のレパトリはいずれも大抵が一時的要因にとどまることを踏まえると、為替の材料が株式に集中していることはドルを支える基盤の脆弱(ぜいじゃく)性を浮き彫りにしている」と書いている。

  一方でTDは、賃金上昇や海外からの影響波及が材料となり、米国株と他の地域・国のギャップが縮小して結果的にドルを下押しする可能性にも言及した。マコーミック氏は「少なくとも欧州や日本など他の先進国に対して、米国株の違いが現在の規模で続くかどうかはは分からない」とした上で、今後は円やユーロ、スイス・フランに追い風が吹くとの見通しを示した。

U.S. Equity Breakout

原題:Reliance on Soaring Stocks Leaves U.S. Dollar in ‘Fragile’ State(抜粋)

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