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ドル・円は上昇、欧州懸念後退や株高で円売り優勢-111円台半ば

更新日時
  • 日本企業の米社買収報道も追い風に、日足一目雲の上限に再び接近
  • EU離脱交渉楽観でポンド・円は8月30日以来の高値

東京外国為替市場のドル・円相場は上昇。欧州懸念の後退や日本株の上昇を背景にリスクセンチメントの改善が意識される中、日本企業による米社買収のニュースも追い風となり、ドル買い・円売りが進んだ。

  11日午後3時35分現在のドル・円は前日比0.3%高の1ドル=111円48銭。朝方は111円台前半でもみ合っていたが、日本株が上昇して始まると徐々に円売りが強まり、111円48銭まで値を切り上げた。その後、111円35銭を下値に一進一退の展開となったが、欧州市場に向けてはクロス円(ドル以外の通貨の対円相場)が一段高となり、ドル・円も111円49銭と日中高値を更新した。

  みずほ証券の鈴木健吾チーフFXストラテジストは、これまで市場を動かしていた貿易問題と新興国で新たな材料が出ずに空白となる中、「きょうはそこから少し離れて株高や欧州の話で少しリスクオンムードで、そこに買収話が出て少し上トライという感じ」とドル・円の上昇を説明。ただ、貿易問題と新興国情勢を巡る不透明感は続いており、最近のレンジの上限である111円半ばからは上値が重くなると語った。

日足一目均衡表の雲中での推移続く

  ポンド・円相場は、英国との離脱交渉で8週間以内の合意成立は可能とのバルニエ欧州連合(EU)首席交渉官の発言を受けてポンド高が進んだ海外市場の流れが続き、1ポンド=145円61銭と8月30日以来の水準まで上昇。イタリア財政赤字の拡大懸念の後退やEUと米国の通商協議の進展期待を背景に、ユーロ・円相場は1ユーロ=129円55銭と3営業日ぶりのユーロ高・円安水準を付けた。

  日経平均株価は291円高で取引を終了。米半導体メーカーのインテグレーテッド・デバイス・テクノロジー(IDT)を67億ドル(約7470億円)で買収すると正式発表した車載向け半導体で世界2位のルネサスエレクトロニクスは4.4%高となった。

  オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)マーケッツ本部の吉利重毅外国為替・コモディティー営業部長は、「株価は落ち着いている状況というところで、リスクオンぽく見える」とし、ドル・円はルネサスの米企業買収のヘッドラインにも反応して上昇したと説明。もっとも、「日足一目の雲の上限を超えて上がれるかというと、それ以上の新しい材料がない」とし、日米首脳会談も今月下旬に控えて「なかなかレンジを抜け出すのは難しそう」と語った。 

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