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信じ難いほど良い数値は危険信号-中国企業投資でGMTが分析ツール

  • 香港のGMTリサーチは元CLSAのタロック氏が14年に始めた
  • 中国アパレルメーカー分析の6月のリポートで脚光浴びる

ロイヤル・バンク・オブ・カナダ(RBC)のアジア株式チームは今年に入って、中国のスポーツウエアメーカー、浩沙国際の会計数値を第三者が提供したスクリーニングツールで検証し、投資しないことを決めた。
 
  RBCの資産運用部門でアジア株式責任者を務めるマユル・ナラマラ氏は、「理論的には立派な数字だった」が、「フィルターにかけてみて、われわれは『ノー』と言った」と述べた。確かに良い判断だった。浩沙国際の株価は今年ほぼ90%下落。空売り投資家が同社株は無価値だと7月のリポートで指摘したことが響いている。

GMT Research Ltd. Founder Gillem Tulloch, The Hong Kong Researcher Pointing Out Red Flags at Chinese Firms

ギレム・タロック氏

写真家:アンソニー・クワン/ブルームバーグ

  このスクリーニングツールを開発したのは香港のGMTリサーチ。同社が危険信号を発した中国のアパレルメーカーは、浩沙国際だけではない。安踏体育用品や特歩国際、361度国際などがGMTによる6月のリポートで疑問視されている。安踏体育と特歩国際、361度国際が報告した数値を精査し、他社が過去に使った疑わしい会計パターンを探った上で、GMTの創業者ギレム・タロック氏は3社の数字がにわかには信じ難いほど良すぎるのではないかと問い掛けた。

  リポート公表後の2日間で安踏体育株は12%余り下落。特歩国際と361度国際の株価も6.6%以上の下げとなった。その後は3社の株価は香港市場全体に沿った動きとなっている。

  3社は共にリポート公表時にその主張に反論。あらためて尋ねると、特歩国際は法人による不正行為だとの見方は虚偽だとした6月の発表文を参照するようコメント。361度国際の広報担当者はコメントを控えた。安踏体育の頼世賢最高財務責任者(CFO)は「8月に発表した2018年の中間決算の素晴らしさで、安踏体育は業績に対するあらゆる疑問に答えている」と述べた。

Shares Initially Slide After GMT Report

By a month later, the decline is less pronounced versus the market

Source: Bloomberg

Note: Shows the share price decline of the three footwear companies and the drop in the Hang Seng Index.

  浩沙国際の広報担当者はGMTのスクリーニングツールについてのコメントを控えた。同社は7月、空売りを手掛けるボニタス・リサーチが提示した疑義は不正確で誤解を招くと主張。浩沙国際の株式は現在、売買停止となっており、同社は1-6月(上期)決算発表も遅らせた。

  CLSAのタイ調査責任者だったタロック氏(47)がGMTを始めたのは2014年。RBCのナラマラ氏は「懐疑派としてのアングルから物事にアプローチしている」とGMTを評価。この地域の企業への投資が無価値になるのを回避する上で、こうした考え方が同氏にとって好都合なのだと語った。

原題:The Hong Kong Researcher Pointing Out Red Flags at Chinese Firms(抜粋)

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