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インドでM&A活況、18年は取引総額が既に1000億ドル超える

  • 新しい破産・倒産法や電子商取引業界での支配権争いが背景
  • リスクは来年のインド下院総選挙や投資家の新興市場離れ
Congestion on Roads and Rail As First Round Of Indian Election Voting Gets Underway

Photographer: Vivek Prakash / Bloomberg

Congestion on Roads and Rail As First Round Of Indian Election Voting Gets Underway

Photographer: Vivek Prakash / Bloomberg

インド史上最大の合併・買収(M&A)ブームが到来し、投資銀行はさらに多くのディールメーキングに向け準備している。

  ブルームバーグがまとめたデータによると、インド企業が関与した2018年のM&Aは1045億ドル(約11兆6400億円)に達し、年末まで4カ月近くを残しながら、過去最高額を更新した。PwCインドのパートナーで、プライベートエクイティー(PE、未公開株)とディールを担当するサンジーブ・クリシャン氏は、M&A総額は19年も再び1000億ドルを突破する可能性があると述べた。

Record Year

India M&A jumps to an all-time high with almost four months left in 2018

Source: Bloomberg

  新しい破産・倒産法、電子商取引業界での支配権争い、記録的な活動資金を備えたアジア特化型PE投資会社の存在が相まって、主要国で最も成長率が高いインドで案件を成立させる前例のない機会と一部で指摘される状況が生まれている。M&Aの活況は投資銀行に朗報であるだけでなく、インドの金融システムにおける不良債権処理の促進や、人口13億人が利用する小売りセクターの近代化にも一役買っている。

  JMフィナンシャルの投資銀行部門で共同最高経営責任者(CEO)を務めるアトゥール・メーラ氏は、「これは千載一遇の機会だ」と述べた。

  インドでは新たな破産・倒産法の施行を受けて、鉄鋼や電力、インフラなどの業界で債務返済が滞った企業数十社が入札にかけられることになった。破綻したブシャン・スチールをタタ・スチールが5月に50億ドル超で買収した案件は、インド企業同士の買収としては今年2番目の規模だった。
 
  消費関連部門もM&Aが活発なセクターだ。米ウォルマートが今年、印フリップカート・オンライン・サービシズを160億ドルで買収したのは、外国企業によるインド企業買収で過去最大規模。さらに、米アマゾン・ドット・コム、中国のアリババ・グループ・ホールディングとテンセント・ホールディングス(騰訊)もインド企業の株式を取得して同国国内での存在感を高めている。

Leading the Pack

International banks rule the roost on India deals this year

Source: Bloomberg

  M&Aブームが持続するか保証はない。投資家の新興市場離れが広がる中、インド通貨ルピーは最安値を更新しており、企業信頼感が損なわれ、海外勢は一段と通貨が下落するまで静観姿勢を取りかねない。来年の下院総選挙の結果待ちとの投資家も一部にはいるだろう。

  ただ今のところは、インドのM&Aのパイプラインは堅調に見える。英製薬会社グラクソ・スミスクラインは43億ドル規模のインド消費者ヘルス事業の経営権に対し9月半ばを期限とした買収入札を募ったと、事情を知る複数の関係者は明らかにした。米クラフト・ハインツはインド事業を約10億ドルで売却したい意向で、候補を絞っている。印エッサール・スチールには、アルセロール・ミタルとVTBキャピタルそれぞれのグループから提案があった。

  同時に、アジアのPEファンドは潤沢な資金を持ち、運用するチャンスを探している。PwCのクリシャン氏は「18年はM&Aの当たり年になるとみている。現在見られる原動力の多くは来年にかけて持続するだろう」と話した。

原題:Once-in-a-Lifetime Deals Fuel a $100 Billion India M&A Boom(抜粋)

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