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ルネサスエ:米IDT67億ドルで買収、IoTなど車分野以外強化

更新日時
  • 買収資金を調達するため主要取引行から6790億円を借り入れへ
  • 株価は一時7.8%高、約半年ぶりの日中上昇率

車載向け半導体で世界2位のルネサスエレクトロニクスは11日、米半導体メーカーのインテグレーテッド・デバイス・テクノロジー(IDT)を67億ドル(約7470億円)で買収すると正式発表した。IDTはデータセンターやワイヤレスインフラなど通信用半導体の設計や開発に強く、自動車分野以外にも事業領域の拡大を目指すルネサスエにとって補完性が高いと判断した。

  発表資料によると、買収額は10日のIDT株価終値(42.08ドル)を16%上回る1株当たり49ドル。手元資金のほか、主要取引行から新たに6790億円を借り入れて買収に必要な資金を賄うとしている。2019年上期をめどに買収を完了する。コスト削減や売上増で長期的には2億5000万ドルの効果を見込む。発表後、ルネサスエ株は一時前日比7.8%高と約半年ぶりの日中上昇率となった。

  半導体業界では自動運転やモノ同士をインターネットでつなげるIoTなどの技術革新を背景に需要拡大が見込まれ買収が相次いでいる。ルネサスエは17年2月に汎用(はんよう)性の高い「アナログ半導体」が強みの米インターシルを3000億円超で買収するなど合併・買収(M&A)を活用した事業拡大を進めている。ルネサスエは自動車向け半導体に加え、IoT分野や産業、インフラ分野を成長戦略の柱として経営資源の集中を加速させる。

  11日に都内で会見したルネサスエの呉文精社長はIDTが年率約15%の売上高成長を続けていることや、ルネサスやインターシルとの事業と重複しない点に触れ、「我々のマイコンと組み合わせてさらなる成長を実現していきたい」と強調した。買収で調達する借入金については年2000億円程度のペースで返済していくとした。

  ルネサスエは10年に日立製作所三菱電機NECの半導体部門を統合して設立。官民ファンドの産業革新機構が13年に出資して議決権の69%を保有し経営再建を主導してきたが、段階的に売却を進めており、現時点の保有比率は33%余りまで低下した。トヨタ自動車やデンソーも出資している。

(ルネサスエの会見を受けて記事を更新します.)
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