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日本株続伸、為替安定し割安感見直す-医薬品や食料品など内需主導

更新日時
  • ドル・円は一時1ドル=111円40銭台、米欧通商交渉は進展
  • 米ナスダック指数は5日ぶりに反発、AMD急騰が寄与

11日の東京株式相場は続伸。ドル・円相場の安定から企業業績の先行き懸念が薄れる中、PERなど投資指標からみた割安感を見直す買いが入った。医薬品や食料品、陸運株など内需・ディフェンシブセクターが上げ、機械など輸出セクターの一角も堅調。

  TOPIXの終値は前日比11.30ポイント(0.7%)高の1698.91、日経平均株価は291円60銭(1.3%)高の2万2664円69銭。

  ニッセイアセットマネジメントの久保功株式ストラテジストは、「欧州でリスクオフが緩んだことで為替の円高が止まり、もともと利益面から割安水準にある日本株もTOPIXの1700ポイント割れは売りが一巡しやすい局面」との見方を示した。貿易問題がどちらに転ぶか分からず、「大きな方向感は出にくいが、先行きを楽観視していた向きの投げが一巡したことでいったん反発方向に動きやすい」とも言う。

Inside the Tokyo Stock Exchange As Banks Continue Rally Following Yields Spike

東証前の歩行者

Photographer: Akio Kon/Bloomberg

  きょうの為替市場では、ドル・円が一時1ドル=111円40銭台と6日以来の円安水準に振れた。10日の米国株は、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)など半導体関連株が買われ、ナスダック総合指数は0.3%高と5日ぶりに反発した。欧州株も、成長促進のために債務削減と財政赤字抑制が必要であることを政府は理解している、とイタリアのトリア財務相が発言したことなどが好感され、ストックス欧州600指数は0.5%高と続伸。

  貿易問題を巡っては、米国は欧州連合(EU)との通商交渉が順調に進展、カナダとは11日にワシントンで会談する予定だ。ゴールドマン・サックス証券は、米国の貿易政策は2本立てで進展を見せ、米中貿易のリスクが高まる一方、北米自由貿易協定(NAFTA)などその他の一部分野ではリスクが低下しているようだと分析した。SMBC日興証券投資情報部の松野利彦氏は、「通商問題は覇権争いが絡む米中を除くと、米国と日本を含めた先進国は着地点を見いだせる可能性が十分ある。株式市場では、先進国株高と中国など新興国株安という二極化の兆しがある」とみる。

  もっとも、売買エネルギーは盛り上がりを欠き、先物主導による買い戻しの色彩も強かった。業種別では医薬品や食料品、陸運などディフェンシブセクターの上げが目立った。水戸証券投資顧問部の酒井一チーフファンドマネージャーは、「貿易問題の影響が大きい業種を外す一方、相対的に影響が少ない業種への資金シフトが継続している。物色面からみると、市場はなお通商問題を懸念している」と話していた。

  • 東証1部の売買高は13億4410万株、売買代金は2兆1172億円、代金は過去半年の平均(2兆4000億円)を下回る、値上がり銘柄数は1058、値下がりは942
  • 東証1部33業種は石油・石炭製品、医薬品、食料品、陸運、証券・商品先物取引、情報・通信など26業種が上昇、下落は鉄鋼、保険、パルプ・紙、建設など7業種
  • 売買代金上位では、米半導体メーカーの買収を正式発表したルネサスエレクトロニクスが上げ、武田薬品工業やアステラス製薬、ダイキン工業、キッコーマンが高い
  • 半面、8月業績データはやや低調と受け止められたMonotaRO、米アルタバが保有する全株式を売却するヤフーは安い、レノバや新日鉄住金、TATERUも下落
    円高傾向が一服
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