北海道で生産復旧の動き広がる、トヨタは10日から順次再開

  • トヨタはきょうから部品工場稼働、国内の全完成車工場も13日までに
  • パナソニク、ミネベアミツミも再開-SUMCO千歳工場はまだ停止
Toyota Motor Corp. vehicles including the Aqua hybrid, right, stand on display at the Toyota Mega Web showroom in Tokyo, Japan. Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

トヨタ自動車は北海道で震度7を観測した地震で操業を停止していた国内工場について、10日から順次稼働を再開させていく方針を明らかにした。電力供給の安定化に伴って、乳製品や電子部品など他の業種の企業でも生産復旧の動きが広がっている。

  トヨタ広報担当のジャンイブ・ジョー氏は電子メールで、グループ企業を含めた国内の完成車工場であすから13日にかけて段階的に生産を再開することを明らかにした。北海道の部品工場はきょうから、その他の全ての部品工場はあすから再開する方針という。

  トヨタは地震で道内の部品工場が停止したことから8日に予定していた完成車工場の一部ラインでの休日操業計画を取りやめたのに続き、10日はダイハツ工業の2工場を除く国内のすべての完成車工場を停止していた。当面の稼働率や完全復旧の見通しについてはコメントしなかった。

  トヨタ系列の大手部品メーカー、アイシン精機は8日から登別市の事業所で8日から生産を再開。アイシン北海道(苫小牧市)とシーヴイテック北海道(同)はきょうから試運転を行っており、状況を確認し次第再開していく。デンソーはきょうから北海道工場の一部のラインで稼働を始めた。全面再開日は未定という。

  SBI証券の遠藤功治氏は電話取材に対し、全国で完成車工場が休止した理由について「北海道の工場がとまり、どの部品があってどの部品がないかというのを一応確認する、ということだろう」と指摘。「ずっと止まるという風には考えていないし、増産して取り返すという話」とみており、「財務的な、経済的な影響はほとんどないと思う」と話した。

  電子機器などを製造するミネベアミツミも子会社ミツミ電機の半導体工場(千歳市)での生産を10日から一部再開した。フル稼働するほどの電力は届いておらず、現状の稼働率は半分以下という。広報担当の石川尊之氏によると、従業員や設備への被害はなく、後工程が動いているため事業全体では影響は限定的とした。

  パナソニックは帯広市の電子部品工場が8日から生産を再開し、通常稼働に戻っているという。千歳市の電子部品工場は9日から生産再開に向けた復旧作業を始めた。パナソニック広報担当の石井響子氏によると、千歳工場では一部天井が落ちたり、生産設備がずれたりなどしたものの大きな損傷はなかったとした。

「おいしい低脂肪乳」製造休止

  全国の生乳生産量の54%を占めるなど酪農が盛んな北海道で生産が集中している乳製品についても大手が生産再開に動き始めた。

  森永乳業は関係会社を含む道内4工場すべてで操業を一部再開した。広報担当者によると、対応できる製品から段階的に製造を再開しており、現時点で全面的な操業再開までのめどは立っていないとした。

  明治ホールディングス雪印メグミルクも、北海道でそれぞれ保有する7工場での生産を順次再開させる。ともに全面復旧の見通しは立っていないとした。明治HDの広報担当者によると、節電要請の影響を受けており、全面的な操業再開はできていないとした。具体的には、「明治おいしい低脂肪乳」「明治北海道十勝カマンベールチーズ(ブラックペッパー入り)」など4製品の製造が休止となり、再開の見通しが立っていないという。

  三菱製鋼は火災のあった室蘭市の特殊鋼工場で圧延ラインなど一部の工程で7日深夜から操業を再開した。一方、上工程にあたる製鋼ラインでの操業再開は現時点で11日夜を見込んでいる。火災で損傷した設備の部品交換などに時間がかかるためとしている。業績に与える詳細な影響については調査中とした。

  半導体の基板材料として利用されるシリコンウエハーで世界シェア3割弱を持つSUMCOは停電の影響で千歳工場の操業を停止した。停電は解消して設備などの点検や確認を始めたが、稼働は休止したままだという。広報担当者は安全を確保しつつ早期再開に向けて努力するとした。

  北海道電力の佐藤佳孝社長は8日の会見で、主力の苫東厚真火力発電所など同社のすべての発電所が緊急停止し、道内全域の約295万戸が停電となったことを謝罪した。送電線や配電線の一部に被害が発生しており、復旧工事を進めているとする一方、他の電力会社からの供給や自家発電などを加えて電力確保に努めるとした。ボイラー内部の配管が損傷した苫東厚真発電所の復旧には1週間以上を要する見通しで、佐藤社長は計画停電回避に向けて道民に節電の協力を呼びかけた。

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