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ドル・円は111円前後、通商問題への警戒感が重し

更新日時
  • 早朝の111円09銭から一時110円85銭まで下落する場面も
  • クロス円下落や中国株安でドル・円も少しリスクオフ気味ー大和証

東京外国為替市場のドル・円相場は1ドル=111円ちょうど前後で推移。前週末のトランプ米大統領発言を受けた米中、日米の通商問題に対する警戒感を背景に、上値が重い展開となった。

  ドル・円は10日午後3時47分現在、前週末比ほぼ変わらずの110円96銭。朝方に付けた111円09銭から、一時110円85銭まで下げた後、やや値を戻したものの、小安い展開に終始した。

  大和証券の亀岡裕次チーフ為替アナリストは、ドル・円について、「クロス円(ドル以外の通貨の対円相場)もやや下げている方が目立つ。中国株などの新興国株も下げている。米国の対中関税への懸念などから少しリスクオフ気味の相場」と説明。「日本に対しても9月の日米の貿易協議や首脳会談で米国から圧力がかかってくる可能性がある。米国は、カナダとの通商協議もうまく行っていない。早く成果をあげたいと日本への圧力となりやすい」とも述べた。

  トランプ米大統領は7日、大統領専用機内で記者団に対し、中国からの輸入品について、既に表明済みの2000億ドル相当に加えて、2670億ドル相当に対し追加関税を賦課する用意があると表明した。また、日本が米国との新たな通商合意に至らなければ「大きな問題」になるだろうと発言。「協定を結ばないのであれば、大きな問題になることを日本は分かっている」と述べた。

  三井住友銀行の宇野大介チーフストラテジストは、「ドルは米雇用統計で賃金が強くて戻したが、対中関税賦課第4弾(2670億ドル)などの話もあり、通商問題に立ち返った印象。トランプ政権内からも暴露話が出て内憂外患の中、中間選挙に向けた得点稼ぎに日本が1番と滑り止めカードとして日本を出してきたのだろう」と指摘。日本株の反発を挙げ、「ドル・円は朝方にいったん下値を試したが、逡巡して下げ渋り」と語った。

  7日発表の8月の米雇用統計では、平均時給は前年比2.9%増と前月(2.7%)から伸び率が加速し、2009年の景気後退終了以降で最大となった。非農業部門雇用者数も前月比20万1000人増と市場予想(19万人増)を上回った。これを受けて、ドル・円は同日、一時111円25銭まで上昇する場面があったものの、トランプ大統領による通商問題に関する発言報道などを受けて、110円台後半まで値を下げるなど上値が重かった。

ドル・円相場の推移

  ユーロ・ドル相場は同時刻現在、0.2%安の1ユーロ=1.1535ドル。ポンド・ドル相場は0.1%安の1ポンド=1.2903ドル。欧州中央銀行(ECB)とイングランド銀行(英中銀)は13日に金融政策の決定を発表する。市場ではいずれも現状維持が見込まれている。

  大和証の亀岡氏は、「今週のECB会合は、大きなサプライズはないと思う。経済・インフレ見通しに注目。ただドイツやオーストリアなどから将来の利上げに向けた発言が出て期待がある。そうした中で、今まで通りのECBの金融政策姿勢なら若干ユーロ安圧力になるのではないか」と述べた。

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