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日本株反発、米景気堅調や円高一服で金融、輸出高い-通商懸念重し

更新日時
  • 8月の米平均時給09年以来の伸び、7日の米10年債利回り上昇
  • 米国が対中2670億ドル相当に追加関税示唆、上海株は軟調

10日の東京株式相場は反発。米国の8月の平均時給が2009年以来の高い伸びとなり、米長期金利の上昇や為替の円高一服も好感された。銀行や保険など金融株が高く、精密機器や機械など輸出株、情報・通信株や医薬品株も堅調。

  TOPIXの終値は前週末比3.30ポイント(0.2%)高の1687.61と8営業日ぶりに反発、日経平均株価は66円03銭(0.3%)高の2万2373円09銭と7日ぶりに高い。

  三菱UFJ国際投信・株式運用部の小西一陽チーフファンドマネジャーは、「米中の通商問題は軍事を含めた覇権争いになっているのに対し、日本は米国から兵器の輸入を検討するなど米国がむしろ輸出拡大を求めてくる可能性がある」と指摘。米中の追加関税の応酬とは違い、「日本企業全体にネガティブとはならないだろう」とし、為替が安定する中、「日本株はさすがに割安感が出る水準に到達している」との見方を示した。

Tokyo Stock Exchange As Asian Stocks Rebound After Korean Fears Abate

東証内

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  7日に発表された米国8月の雇用統計では、平均時給が前年比2.9%増と市場予想の2.7%増を上回り、09年以来で最大の伸びとなった。非農業部門雇用者数は前月比20万1000人増と、市場予想の19万人増を上回った。利上げ継続観測から、同日の米10年債利回りは2.94%へ上昇。きょうのドル・円は一時1ドル=111円台と、7日の日本株終値時点110円60銭に比べ円がやや弱含んだ。

  東海東京調査センターの平川昇二チーフグローバルストラテジストは、「米経済はトランプ大統領の米国ファースト姿勢も加わり、しっかりしている。賃金は通常通り、やや上昇してきた。米国株にとってインフレ懸念はやや良くないものの、日本株にとっては米景気良好と円安につながりプラス要因」とみている。

  TOPIXは前週末まで3カ月ぶりの連続安を記録、8月安値(1667.95)にも接近し、短期的な売られ過ぎ感が出始めている。ブルームバーグ・データによると、TOPIXの1株利益は昨年末時点の126.24に対し、ことしは126.81となる見通し。PERは昨年末15倍、現在は13.4倍だ。東洋証券の大塚竜太ストラテジストは、「日本企業の1株利益は上がり続けているが、株価は下がり続け、両者の関係は『ワニの口』のようになっている」と指摘。相場は米国による中国への2000億ドルの追加関税方針は織り込み、「新たな対中追加関税の件はまだ織り込み切れていないが、企業業績が一方的に悪化しなければ、日本株は十分買える水準まで下がった」と言う。

  もっとも、続落中の下げ幅に比べると反発力は限定的、売買代金も盛り上がりを欠いた。トランプ米大統領は7日、中国からの輸入2670億ドル相当に対し追加関税を賦課する用意があると表明。中国税関総署が8日に発表した8月の輸出(ドルベース)は前年同月比9.8%増と、3月以来の低い伸びだった。きょうの中国上海総合指数は一時1%以上下げた。三菱国際の小西氏は、日本株が安値圏から本格的に脱出するには日米通商問題の行方が明確になる必要があるとし、「11月中旬まではレンジを抜けて行くのは難しい」と予想している。

  • 東証1部の売買高は11億1612万株、売買代金は1兆8752億円、代金は4営業日ぶりに2兆円割れ、値上がり銘柄数は1202、値下がりは808
  • 東証1部33業種は保険や鉱業、海運、医薬品、銀行、情報・通信、パルプ・紙、精密機器など21業種が上昇
  • 下落は陸運、化学、ガラス・土石製品、サービス、繊維、小売、不動産、食料品など12業種、食料品はSMBC日興証券がセクター判断を「弱気」に下げた
  • 売買代金上位では、NTTや第一生命ホールディングス、テルモが高い、東海カーボンや太陽誘電、みずほ証券が投資判断を「中立」に下げたエムスリーは安い
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