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米連邦準備、危機対応で10年前より悪い状況に-G30が最新リポート

  • 危機に対処する手段の幾つかは弱められたとガイトナー元米財務長官
  • 金融危機以降、中核的な銀行システムは大幅に強化された

10年前の金融危機を受けて広範囲にわたる改革が実施された結果、国際的な大災難や銀行への全面的なサイバー攻撃に将来対応することになった場合、米連邦準備制度をはじめとする各国・地域の中央銀行が置かれることになる状況は以前よりも悪化している。

  これが、ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁やイングランド銀行(英中銀)のカーニー総裁を含む現職および元職の政策担当者や学識経験者などで構成する団体、グループ・オブ・サーティー(G30)がまとめた最新リポートの予想外の結論だ。

  リポートを作成したG30作業グループの共同議長、ティモシー・ガイトナー元米財務長官は記者団に対し、「願わくはまれにしかないような極度の危機に将来対処するのに当たり、そのための幾つかの手段の効力は弱められている」と語った。

  「特に米国の場合はそうした状況が当てはまる」と、現在ウォーバーグ・ピンカス社長のガイトナー氏は指摘。金融システムへの緊急支援を提供する連邦準備制度と連邦預金保険公社(FDIC)の能力が議会によって制限された点を挙げた。

  将来の大惨事は恐らく前回のものとは異なる様相を呈すると考えられるため、これは重要な問題であり、大災難が突き付けるであろう新たな脅威に対応する上で、柔軟性が重要となることを意味する。

  作業グループ共同議長のギレルモ・オルティス元メキシコ中銀総裁は、「次の金融危機は新たな発生源からのものとなる公算が大きい」と述べるとともに、特にサイバー攻撃の危険を指摘した。

  オルティス氏はさらに、金融面の将来の緊急事態を予測するのに政策担当者が手を尽くしていない可能性があるとして懸念を表明。今後起こるであろう避けることのできない災難への「準備を中銀や監督当局は十分強調していない」と論じた。

  ただリポートによれば、良いニュースもある。危機後に導入された改革によって、中核的な金融システムは大幅に強化され、公的資金を投入して救済する必要に迫られずに、経営破綻した金融機関を処理するための政府の能力も増強された。G30メンバーであるUBSグループのアクセル・ウェーバー会長は、主要国の銀行監督当局の間の協力が密になっていると指摘した。

原題:Fed in Worse Shape to Combat Crisis Than 10 Years Ago, G-30 Says(抜粋)

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