Photographer: Daniel Acker/Bloomberg

トランプ政権の対中関税発動迫る、市場は中国テクノロジー株など注目

  • 人民元や新興国市場、米工業株の動きも投資家は注視
  • 米国の小型株は好調さ目立つ-国内重視で貿易摩擦の影響軽微か

今週の市場で誰もが口にしたくはない重大な問題は米国と中国との通商対立だ。投資家は今後の展開に注目している。

  トランプ米大統領は中国からの輸入品2000億ドル(約22兆円)相当への関税賦課計画について、意見公募期間が6日終了し次第、発動する構えだと伝えられている。実際に発動すれば、米国株式相場や新興国市場などを揺るがしかねず、米経済の長期的前進を幾分損なう恐れがある。

  キングスビュー・アセット・マネジメントのポートフォリオマネジャー、ポール・ノルテ氏は電話インタビューで、「短期的に多少の波乱を招くだろう。貿易や関税の影響の一部を経済的観点から目にし始めたところだ。実際に発動されて中国が報復に出る場合、その影響は恐らく来年1-3月(第1四半期)まで見られないだろう」と述べた。

  ここ数カ月の貿易摩擦の高まりから既に影響を受けた市場と、保護主義の台頭で影響を受けやすいとみられる分野を以下にまとめた。

中国のテクノロジーセクター

  トランプ政権が通商戦術で主な標的にしてきた1つは中国のテクノロジーセクターだ。米国が技術移転や知的財産権、技術革新に関わる中国の「不公平な貿易慣行」に対抗して3月に関税措置を打ち出して以来、中国企業は同業の米国企業に大きく出遅れている。中国のテクノロジー大手、百度やアリババ・グループ・ホールディング、テンセント・ホールディングス(騰訊)はMSCI新興市場指数の約12%を占めることから、同指数もその流れに追随する可能性がある。

工業株

  貿易摩擦で売られやすいもう一つの脆弱(ぜいじゃく)な分野は、国際的な販売やサプライチェーンに依存する米製造業者だ。これらの工業株の年初来のパフォーマンスはS&P500種株価指数を約5%下回っている。

小型株

  米国の小型株は全般的に、世界の株式を上回るパフォーマンスで、国内エクスポージャーの高さから貿易摩擦の影響を受けにくいと見られてきた。この差が生じた背景には、好調な経済活動を受けたドル高や米連邦準備制度の持続的な金融引き締め、新興国市場の一部の混乱もある。

波乱の新興国市場

  新興国市場は貿易大国間の緊張で最も大きく動揺しているようだ。中国と香港に上場する株式が約3分の1を占めるMSCI新興市場指数は1月に約10年ぶりの高値を付けて以来20%強値下がりしている。

中国の通貨

  中国人民元は貿易摩擦を背景に投資家の注目を集めている。オフショア人民元は3月に対ドルで1年ぶりの高値を付けて以来、最大11%下落した。元安は米国の貿易措置の一部を弱めるのに役立つが、中国政府は資本逃避にうんざりしている。


原題:Watch These Markets as Trump’s $200 Billion Trade Salvo Nears(抜粋)

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