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Photographer: Qilai Shen/Bloomberg

中国は再び世界経済を救えるか-週内にも追加のトランプ関税発動

  • アジア通貨危機や世界金融危機では中国が安定化の役割
  • トランプ政権は中国製品2000億ドル相当に追加関税も
Visitors walk through a gate inside the Palace Museum at the Forbidden City in Beijing,
Photographer: Qilai Shen/Bloomberg

世界経済に占める中国の割合は拡大しており、新興国市場の混乱が先進国に波及しない防波堤としての役割がこれまで以上に重要になっている。

  アルゼンチンやトルコ、南アフリカ共和国の市場を襲い、アジアにも波及しつつある混乱でも、大半の先進国経済の成長見通しはほとんど損なわれていない。実際、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長からは、新興国には重荷となっている利上げペースを緩める兆しはほぼ見られない。

  だが、12兆ドル(約1325兆円)規模の中国経済がここからかなり減速した場合、話は違ってくる。トランプ米政権は中国製品2000億ドル相当への追加関税発動を週内にも発表する可能性があり、中国経済は新たな課題に直面している。

  世界経済に占める中国の割合は約15%と、20年前のアジア通貨危機時のわずか3%から大きく膨らみ、世界の経済成長に対する寄与は30%余りに達している。多くの新興国にとって中国は最大の貿易相手国であり、多くの商品で最も大きい買い手でもある。

  HSBCホールディングスのアジア経済調査共同責任者、フレデリック・ニューマン氏(香港在勤)は、「中国は新興国経済を引っ張る機関車だ」と指摘。「このため、新興国が既に債務のドル調達コスト上昇への対応に苦慮する中、中国経済の減速は特に新興国にとって深刻な課題になる」と話す。

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  ブルームバーグ・エコノミクスのトム・オーリック氏は、1997年のアジア通貨危機や中南米での周期的な危機など大きなショックが新興国市場を襲っても、近隣の先進国にはさざ波が立つ程度だったと分析。だが、中国の場合はそうはいかない。

  中国は長らく安定化の役割を担ってきた。アジア通貨危機時に人民元切り下げを見送り、影響の広がりを防ぐことに一役買った。それから10年後の世界金融危機時には巨額の景気刺激策を打ち出し、商品需要が急回復、多くの新興国やオーストラリアなど一部の先進国を後押しした。

  メイバンク・キム・エン・リサーチのシニアエコノミスト、チュア・ハク・ビン氏(シンガポール在勤)は、中国が引き続き鍵を握ると指摘。「貿易戦争で中国経済が沈むことになれば、新興国や他のアジア諸国は下押し圧力をフルに受けることが避けられない」と述べた。

  予想する向きはほとんどいない中国経済のハードランディングシナリオは起こりそうにないが、中国景気が底堅く推移しても、金融引き締めによる影響から世界を守ることはできない。

  ユーリゾン・SLJキャピタルのスティーブン・ジェン最高経営責任者(CEO)は、「中国は世界経済情勢の一段の悪化を防ぐため、新興国向けに措置を講じることは可能だ」と指摘しながらも、「米金融当局による今後の政策行動に伴う逆風を完全に打ち消すことはできないだろう」と述べた。

原題:China Stands Between Emerging Market Turmoil and Global Pain(抜粋)

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