トランプ大統領、日本との通商対決視野か-米紙WSJに表明

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  • 報道後の外国為替市場では円が対ドルで上昇、日本株下落
  • トランプ政権は対日赤字縮小への合意を要求、自動車追加関税も検討

トランプ大統領と安倍首相

Photographer: Yuri Gripas/Sipa USA

トランプ米大統領は6日の電話で、日本の指導者との良好な関係について語る一方、その関係は「もちろん、私が彼らに対し、彼らがどれだけ支払う必要があるか告げた途端に終わるだろう」と述べた。米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)のジェームズ・フリーマン記者がオピニオン記事で伝え、トランプ大統領が依然として対日貿易に悩まされているようだと指摘した。

  フリーマン記者は同記事で、トランプ大統領が「非常に安定している」様子だったと語る一方、なお通商相手国との貿易赤字解消に重点的に取り組んでいるとも伝えた。記事の見出しは「トランプ大統領、日本との通商対決を視野」としている。

  報道後の日本時間7日午前の外国為替市場では、円が対ドルで上昇。ドルは一時8月22日以来の安値となる1ドル=110円38銭を付けた。この日は早ければ米国による対中追加関税の発表リスクがあり、日米貿易問題への警戒が重なったことで、実需勢は様子見になっていると市場参加者は話した。また、日本株は続落し、日経平均は一時300円超下落した。終値は前日比0.8%安の2万2307円06銭。

  アイザワ証券の谷健一郎市場情報部長は「トランプ大統領の発言は日本に対する宣戦布告のようなもので、今月中とみられる日米首脳会談では厳しい貿易交渉になりそう」と話し、日本株は割安でも買いにくいと指摘した。

  トランプ政権は主要な貿易パートナーである多くの国との通商合意の見直しを目指しており、中国や欧州連合(EU)を標的にしているほか、日本に対しては米国の対日貿易赤字の縮小につながる合意を要求。最大25%の自動車追加関税も引き続き検討している。これに対して日本側はトランプ政権が3月発表した鉄鋼・アルミ関税で日本を適用除外の対象に含めることなどを求めて日米通商交渉が続いているが、成果は上がっていない。

  今年4月の日米首脳会談では、貿易の枠組みを巡って意見が対立。状況打開のため「自由で公正かつ相互的な貿易取引のための協議(FFR)」が設けられ、茂木敏充経済再生担当相とライトハイザー米通商代表部(USTR)代表による日米通商交渉が8月にワシントンで開かれた。閣僚級の貿易協議の次回会合は今月をめどに開催される予定。

  トランプ大統領はこうした行き詰まりの状況に不満を募らせているようで、米紙ワシントン・ポスト(WP)が先週報じたところによると、ホワイトハウスで6月に行われた日米首脳会談で、トランプ大統領は「私は真珠湾を忘れない」と述べ、その後に日本の経済政策を厳しく批判した。同紙によれば、大統領は米国の対日貿易赤字に不満をぶちまけるとともに、米国の牛肉や自動車の輸出業者に一段と有利な内容の2国間貿易協定の交渉に応じるよう、安倍晋三首相に求めたという。

  麻生太郎副総理兼財務相は7日午前の閣議後会見で、WSJの報道について「どれくらい本当かわからない」と指摘した上で、「赤字を減らさないかんというのはお互いの努力。FFRなどでいろいろやりあっている真っ最中なので、それ以上のコメントする段階ではない」と述べた。

  7日告示された自民党総裁選で安倍首相が勝利すれば、国連総会がある9月下旬にもトランプ大統領との首脳会談が設定される可能性がある。

原題:Trump Seemed ‘Bothered’ with Japan Trade Ties in Phone Call: WSJ(抜粋)

(株価を終値に差し替えて更新しました.)
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