カナダの酪農業、トルドー首相が切り札に利用か-NAFTA再交渉

  • 米国はカナダの酪農制度の改革要求を緩和-当局者
  • NAFTA再交渉はワシントンで継続、乳製品が主な焦点

カナダが乳製品市場へのアクセスを通商協議の切り札として利用するのを、同国の酪農家ヘンリー・ホルトマン氏は以前も目にしたことがあるが、今後そうした状況が再現される可能性がある。

  ホルトマン氏は2500キロ以上離れたワシントンで開かれている北米自由貿易協定(NAFTA加盟国)再交渉で、トランプ米大統領が繰り返し標的にしている乳製品分野の協議の行方を見守っている。カナダ政府は同氏のような酪農家の抗議をよそに、規制されて利益の多い乳製品市場の一部を再び安く差し出しかねないからだ。マニトバ州の農場で乳牛550頭を兄弟で飼育するホルトマン氏は「供給管理制度が再び浸食されるのを見たくはない」と電話インタビューで語った。

  米国とカナダの協議は5日にワシントンで再開され、6日も継続される。トランプ大統領がカナダ抜きで進めることも辞さない構えを示す中、両国の代表らは1994年発効のNAFTAの改定に向け合意を目指している。乳製品は残る重要問題の1つで、トルドー加首相は5日、譲歩の扉を開いたが、何らかの見返りを得られる場合だけだと述べた。

  トルドー首相はラジオインタビューで「柔軟性の余地があるかどうかは今後分かるだろう。どのような交渉が行われるかによる」と述べた。しかし、乳製品の見返りについては不透明だ。「米大統領が望むという理由だけで、われわれが悪い合意に署名しなければならないということを受け入れるつもりはない。カナダ人にとって悪い合意に署名するよりは、席を立って署名しないことにする」と話した。

  カナダの供給管理制度は割り当てや輸入関税を通じて生産と需要をマッチさせることで産出量をコントロールしているが、トランプ大統領は米国が貿易で犠牲になっている証拠だと度々批判してきた。

  事情に詳しい当局者2人が匿名を条件に語ったところによると、米国は当初、NAFTA交渉でカナダの酪農制度の段階的廃止を提案したが、その後要求を緩和し、現在はより目標を絞った見直しを目指しているという。

原題:Canada’s Dairy Farmers Could Be Trudeau’s Nafta Bargaining Chip(抜粋)

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