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テスラ依存を軽減、住友鉱はEV向け電池材料の供給先拡大へ

  • ニッケル酸リチウムはフル生産の状態、増強投資は今後も継続へ
  • 最終需要家が実質1社である「一本足打法」のリスクは認識している
Tesla Inc. Supercharging Stations As Musk Mulls Privatisation Plans
Photographer: Stefan Wermuth/Bloomberg
Tesla Inc. Supercharging Stations As Musk Mulls Privatisation Plans
Photographer: Stefan Wermuth/Bloomberg

住友金属鉱山は電気自動車(EV)の二次電池に使われる材料の供給で、最終的な需要家である自動車メーカーを米テスラ以外にも拡大する方針だ。同社の材料を使用した二次電池を搭載するEVメーカーは実質1社にとどまっており、リスク分散を図るとともに、EV市場の伸びに合わせた需要を取り込む狙い。

  材料事業本部副本部長の滝沢和紀執行役員が5日 、インタビューで述べた。住友鉱が生産するのは二次電池の主要材料である正極材として使用されるニッケル酸リチウム。ニッケルに加え、コバルト、アルミニウムを原料とする製品で、それぞれの頭文字を取り「NCA」とも呼ばれる。正極材は、一度の充電による航続距離を伸ばすのに重要な役割を果たす。

Sumitomo Metal Mining's lithium nickel oxide

住友金属鉱山が生産するニッケル酸リチウム

Source: Sumitomo Metal Mining

  滝沢氏は「ニッケル酸リチウムの生産はフル操業が続いている」と説明。その上で、最終需要家が実質1社の「一本足打法」のリスクは認識しているとも述べ、直接の供給先であるパナソニックと協力するなどして最終供給先の自動車メーカーをテスラ以外にも広げていく意向を示した。

  住友鉱はパナソニックと共同でニッケル酸リチウムを開発し、全量を同社に供給している。パナソニックが製品化した二次電池はテスラ車に搭載されている。

  ニッケル酸リチウムの主力拠点である磯浦工場(愛媛県新居浜市)などに過去5年で計400億円超の増産投資を実施。2013年に月産300トンだった生産能力を3550トンにまで引き上げており、年末には4550トン体制となる予定

  滝沢氏は「顧客から要求される数量と時期、生産拠点での余力とのバランスを見ながら増産していく」と述べ、需要の伸びに合わせて今後も能力増強の投資を継続する方針を示した。

  ニッケル酸リチウムなどの電池材料の今期(19年3月期)の売上高は前期比58%増の1150億円を見込む。増産によって売上高を大きく伸ばしており、材料セグメントの約半分を占める主力事業となっている。

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