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中国JDドットコム創業者の釈放、証拠不十分を示唆か-性的暴行容疑

  • 劉強東CEOは釈放後直ちに帰国-米中に引き渡し条約なし
  • 合理的な疑いを超える立証できないと考えたか-レフコート氏

米ミネソタ州で先週末に性的暴行の疑いで逮捕された中国2位の電子商取引会社JDドットコム(京東)の創業者、劉強東最高経営責任者(CEO)は、逮捕から約16時間後には釈放され中国に戻った。これほど早く拘束を解かれたのはなぜかという疑問が生じている。今回の釈放は当初思われていたような事件ではないことを示唆するものだと刑事被告の弁護士らは指摘する。

  劉CEOは8月31日に逮捕されたが、当初は「性犯罪」の疑いとだけ公表された。地元警察はその後「性的暴行の既遂」容疑だと具体的に明らかにした。

Key Speakers At The Wall Street Journal DLive Asia Conference

JDドットコムの劉強東CEO

写真家:Billy HC Kwok / Bloomberg

  同CEOの拘束は長くは続かず、出国制限もなかったため空路で中国に戻った。ミネアポリス警察のジョン・エルダー報道官は捜査が始まったばかりであり、中国とは犯罪人引き渡し条約を結んでいないものの、必要に応じて劉CEOと再び接触することができると説明した。

  ミネソタ州法によると、警察当局は訴追手続きを取らなくても、日曜日と祝日を含まず36時間にわたり容疑者を拘束することが可能。逮捕する相当の理由があると警察が判断しても、検察が起訴するには証拠が不十分とする可能性もあり、その場合は合理的な疑いを超える立証ができないと考えていることを意味すると、マンハッタンの刑事被告弁護士ジェラルド・レフコート氏は説明する。

  「逮捕後に何かが起き、逮捕された側か、被害を受けたとされる人物が申し立てたことを受けて、検察が刑事訴訟には全くならないと考えるようになったとしか思えない。このような例はよくあることではなく、逮捕後に何かが起きたに違いない」と同氏は話した。

証拠不十分か

  劉CEOはミネソタ大学カールソン経営大学院の学生で、米中経営学博士コースの米国課程を終えるためミネアポリスに滞在していた。

  同CEOの資産や立場を踏まえ、釈放の判断は警察と検察によって合同かつ戦略的に下された公算が大きいと、マサチューセッツ州の元検事で現在はホワイトカラーの刑事被告弁護士を務めるジョン・バルーシアン氏は指摘する。

  「単純に言えば刑事事件として劉CEOを起訴手続きに持ち込む十分な証拠がないと警察が考えたということだろう」と同氏は話した上で、同CEOを米国内にとどめておくには起訴手続きを取って罪状認否に臨ませ、保釈金の支払いなど保釈条件設定やパスポートの没収を裁判所に求める必要があったと語った。

  ミネアポリス警察のエルダー報道官は、今回のように捜査が長引く見通しとなった場合、容疑者を釈放するのは普通だと説明。米国は劉CEOの母国ではなく、正式に起訴手続きされていないため、同CEOのパスポートを没収する、または出国を制限すればあまりにやり過ぎたことになると述べた。

原題:JD.com CEO’s Release From Jail Suggests Police Lacked Proof (2)(抜粋)

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