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ドル・円は111円台半ば、米加通商交渉警戒や新興国不安が上値抑制

更新日時
  • 五十日の仲値需要で一時111円71銭まで上昇する場面も
  • 交渉不調なら円高、ドル・円にはマイナス要因-外為どっとコム総研

東京外国為替市場ではドル・円相場が1ドル=111円台半ばで小じっかり。輸入企業の決済が集中しやすい五十日(ごとおび)で仲値にかけてドル買い・円売りが進んだが、米国とカナダの北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉の行方や新興国市場に対する懸念が強く、上値は限定的となった。

  5日午後3時20分現在のドル・円は前日比ほぼ横ばいの111円45銭。朝方は111円40銭台を中心に小動きが続いた後、午前10時頃に一時111円71銭と4営業日ぶりの水準まで上昇。その後は伸び悩み、午後の取引では前日のニューヨーク終値(111円41銭)付近まで値を戻す場面が見られた。

  外為どっとコム総研の神田卓也調査部長は、貿易摩擦も新興国不安もどちらかというとドル買い要因で、米供給管理協会(ISM)製造業指数の強さを見ても「ドル最強の流れであることは間違いない」としながらも、NAFTA再交渉が不調となればドル高と同時に円高も進行し、「ドル・円にはマイナス要因になり得る」と指摘。ドル・円は先週に続いて一目均衡表の雲を一時上抜けたが、「それがだましかどうかも含めて確認したい」と話した。

先週に続き「だまし」か

  5日に再開する米国とカナダのNAFTA交渉に関して、両国の当局者は共に前進していると主張しているが、カナダが手厚く保護する乳製品市場やトランプ政権が撤廃を目指している紛争解決メカニズムなど重要問題では行き詰まったままとなっている。また、トランプ大統領は早ければ6日に中国からの輸入品2000億ドル(約22兆2800億円)相当への追加関税を発動し、中国との貿易摩擦を激化させる可能性がある。

  三井住友信託銀行ニューヨークマーケットビジネスユニットの矢萩一樹調査役は、NAFTA再交渉に向けて期待が高まり、これまで売られていたカナダドルが買い戻される可能性がある一方、再交渉がうまくいかなければ「再びリスクオフのような感じになってもおかしくない」と指摘。ドイツ証券外国為替営業部の小川和宏ディレクターは、明日以降は米中通商問題がどうなるかで、新興国市場のリスクも含めてリスクセンチメントの悪化が意識されやすく、ドル・円は目先伸び悩む時間帯が続きそうと述べた。

  5日のアジア市場では、インドルピーが最安値を更新したほか、マレーシアリンギが約9カ月ぶりの安値を付けた。新興国市場での資産売りが及ぼす影響への懸念が広がった。4日には南アフリカ共和国がリセッション(景気後退)入りしてランドが急落、トルコやアルゼンチンと同様にインドネシアも通貨安に見舞われた。

  オーストラリアドルは4-6月の同国経済成長が市場予想を上回ったことを受けて一時急伸したが、新興国不安が重しとなり、買い一巡後に伸び悩んだ。

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