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【新興国市場】混乱収束の兆し見えず-株式は弱気相場入り間近
Bloomberg News
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MSCI新興市場指数は6日続落、1月の高値から19.7%下落
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アルゼンチン・ペソとトルコ・リラ上昇、南ア・ランドは安い
5日の新興国市場では混乱が落ち着く兆しがほとんど見えていない。最も大きな打撃を被った通貨の一部は下げ一服となったものの、新興国株の指標であるMSCI新興市場指数は弱気相場入りに向けて下落し、通貨バスケットは2017年5月以来の安値近くで取引されている。
MSCI新興市場指数は6日続落し、1月の高値から19.7%下落した。最も下げが目立った株式市場はサウジアラビアとインドネシアで、いずれの株価指標も約2年ぶりの大幅安。為替市場では、今年の下げを主導してきたアルゼンチン・ペソとトルコ・リラが上昇。両国の打撃を抑える措置が好感された。
ドイツ銀行のアジアマクロ戦略責任者、サミール・ゴール氏(シンガポール在勤)はブルームバーグTVのインタビューで、「もはや新興国市場のファンダメンタルズだけの問題ではない」と指摘。「混乱の波及が問題になってきている」と述べた。

- MSCI新興市場通貨指数は0.3%安
- 新興国市場株の指標であるMSCI新興市場指数は1.8%安
中南米:
- アルゼンチン
- アルゼンチン株の指標であるメルバル指数は4.1%高
- アルゼンチン・ペソは1.3%高
- 備考:IMF専務理事、アルゼンチン大統領に資金を約束-ジャーナリスト
- アルゼンチンのデフォルトリスク急上昇、16年5月以来の高水準-チャート
- ブラジル
- ブラジル株の指標であるボベスパ指数は0.5%高
- ブラジル・レアルは0.7%高
- 市場関係者の間で人気がある大統領候補で前サンパウロ州知事のアルキミン氏が14年の知事選挙戦で建設会社からの寄付を申告していなかったとして検察当局が訴追請求したと、ブラジル紙が報じた
- メキシコ
- メキシコ株の指標であるボルサ指数は0.6%安
- メキシコ・ペソは0.4%高
- 貿易合意の行方を巡る不確実性は依然として高く、好ましくないマクロ環境も重なり、ペソを圧迫-コメルツ銀
EMEA:
- トルコ
- イスタンブール100種指数は0.4%安
- トルコ・リラは1.3%高
- 中銀が来週の会合で適切な規模の金融引き締めを実施できなければ、リラ一段安につながりかねないと、ソシエテ・ジェネラルのストラテジスト、フェニックス・カレン氏が指摘
- 南アフリカ共和国
- 南ア株の指標であるFTSE・JSEアフリカ全株指数は1.4%安
- 南ア・ランドは0.6%安
- 「ランドは新興国市場で最も多く取引されている通貨の1つで、そのため他のどの通貨より脆弱(ぜいじゃく)性を抱えている」とネネ財務相がブルームバーグに語った
- 年後半の株式相場の見通しはより明るいものになる可能性があると、サンラム・インベストメント・マネジメントの株式担当責任者パトリス・ラッソー氏
- ロシア
- ロシア株の指標であるMOEX指数は0.6%安
- ロシア・ルーブルは0.2%安
- 政府は国債入札を中止、市場のボラティリティーで
アジア:
- インド
- インド株の指標であるS&P・BSEセンセックスは0.4%安
- インド・ルピーは0.3%安
- インド中銀は通貨防衛に最大300億ドルを充てる余地があると、野村ホールディングス
原題:Little Relief in Sight as Emerging Stocks Slide Near Bear Market(抜粋)
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