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【個別銘柄】台風爪痕で南海や訪日関連売り、Fリテ高い、コマツ下落

更新日時
  • 南海電鉄の空港線は当面運転見合わせ、関空閉鎖で観光客減少の観測
  • 8月ユニクロ売上高4カ月ぶり増加、建機に中国懸念とジェフリーズ

5日の日本株市場で、株価変動材料のあった銘柄の終値は次の通り。

  南海電気鉄道(9044):前日比4.4%安の2776円。台風21号の影響で関西国際空港へのアクセスが遮断される中、南海の泉佐野駅-関西空港駅間(空港線)も当分の間、運転見合わせとなり、なんばと関空を結ぶ特急「ラピート」の需要減少が懸念された。関空はA、B滑走路とも閉鎖中で、5日中の再開予定はない。関空閉鎖による9月の訪日外国人客の減退観測からコーセー(4922)が6.7%安の1万9520円、ファンケル(4921)が9.7%安の5380円、共立メンテナンス(9616)が4.6%安の4940円など化粧品、宿泊施設といったインバウンド銘柄も安い。2018年関空国際線の1日平均外国人旅客数は4万4552人、17年との比較で14%増。

  ファーストリテイリング(9983):3.2%高の5万3850円。国内ユニクロの8月既存店売上高は前年同月比8.8%増。気温が高く推移し、夏物商品が全般的に好調だった。前年実績を上回るのは4カ月ぶり。ジェフリーズ証券は、サプライズだと指摘した。

  大東建託(1878):3.7%安の1万5470円。建設事業の8月度受注高は前年同月比3.9%減の427億円となり、5カ月連続のマイナス。野村証券は、アパート建築に関する他社のスキャンダル報道が相次ぎ、キャンセル率が20%超と通常の15-20%程度より大きく、キャンセル調整後では前年割れの結果になったと指摘。一方で、7月の20%減からは改善、建築営業人員の増加や4月からの受注単価値上げ、7月の西日本豪雨水害による営業時間不足などが解消し、キャンセルを除くベースで1%増と健闘したとの認識も示した。

  LINE(3938):5%安の4825円。ユーロ円建て転換社債型新株予約権付社債(CB)を4本を発行、約1481億円を調達する。5年満期、7年満期が各2本ずつ、潜在株式比率は8.13%で将来の株式価値の希薄化や需給悪化が警戒された。調達した資金はモバイル送金・決済サービス「LINEペイ」のサービス拡大などに約1000億円、AI事業の成長投資に約480億円を投入する。

  建設機械株:コマツ(6301)が3.9%安の3025円、日立建機(6305)が3.6%安の3200円。ジェフリーズ証券は両社の投資判断を「買い」から「ホールド」に下げ、目標株価はコマツを5200円から3100円、日立建機を6200円から3400円に変更した。2019年に向け中国における掘削機需要の減速を示唆する各種データが出てきており、事業環境のダウンサイドリスクに懸念を示した。また、中国需要の減退による利益減少を予測し、同じく判断を「買い」から「ホールド」に下げた油圧機器のKYB(7242)も6.8%安の4175円。

  三井金属(5706):3.6%安の3060円。みずほ証券は投資判断を「買い」から「中立」に下げた。極薄銅箔「MicroThin」の7-9月期のHDI向け販売数量が前年同期比で減少するとの見方が会社から示され、先行き不透明感が高まっているとした。同社は電解銅箔を主体とした機能材料事業に大きく依存した利益構造だ、と指摘。金属価格も低位にある状況、慎重な姿勢で臨むことが賢明とし、業績予想を減額した。

  ペッパーフードサービス(3053):8.9%高の3910円。普通株式を原株とする米国預託証券(ADR)登録のため、米国証券取引委員会(SEC)に届出書を提出したと5日朝に発表。必要な手続きが完了すれば、米時間28日ごろにADRがナスダックに上場予定。国内ではステーキチェーン店「いきなり!ステーキ」を展開、2月には米ニューヨーク市内に「IKINARI STEAK EAST VILLAGE店」も開店し、同国での事業を拡大している。

  コカコーラ ボトラーズジャパンホールディングス(2579):4.2%安の2960円。東洋経済オンラインはコカ・コーラを襲った「豪雨」と「トラック不足」と題した記事を配信、6月末から7月初めの山陽地方の記録的集中豪雨で、製造能力が全体の約5%を占める広島本郷工場のラインは全て停止中、具体的な稼働再開時期の見込みは立たないと報じた。製造ラインは修理では済まず、丸ごと交換の可能性も指摘した。また、同工場倉庫へ他工場から製品輸送を行っているが、トラック不足がボトルネックとも伝えている。

  ユナイテッドアローズ(7606):6.7%高の4230円。8月の既存店売上高は前年同月比11.5%増だったと4日発表。増加は7カ月連続。猛暑で夏物商品の消化が進み、セール販売が好調だった。秋冬商品もシャツなど中軽衣料の動きが目立つとしている。

  アダストリア(2685):7.1%高の1392円。8月の既存店売上高は前年同月比1.3%増と、2カ月ぶりに前年実績を上回った。「ニコアンド」や「ジーナシス」といったブランドが好調、アイテム別ではスカートやワンピースなどの売り上げが伸びた。

  サイゼリヤ(7581):2.4%安の2159円。大和証券は投資判断を「2(アウトパフォーム)」から「3(中立)」、目標株価を2800円から2300円に下げた。2割の営業減益だった第3四半期決算を踏まえ、業績予想を減額。第3四半期は国内でコスト増や既存店売上高が減少傾向、アジアも競争激化で既存店が減速し、減益に転じたと指摘した。同証で評価してきた海外成長が踊り場に差し掛かっている印象があり、慎重にみていく必要があるとしている。

  キリン堂ホールディングス(3194):3.5%安の1851円。消費者庁は4日、ドラッグストアチェーンのキリン堂に対し、景品表示法違反による措置命令を行った。対象となったのは同社が供給する食品「グラリスゴールド」。店頭であたかも同商品の摂取だけで特段の運動や食事制限をせず、体脂肪の分解や燃焼など外見上身体の変化を認識するまでの痩身効果が得られるかのような表示をしていたが、提出資料には裏付けとなる合理的根拠は認められなかった。

  TATERU(1435):150円(17%)安の756円と3日連続でストップ安。東海東京調査センターは投資判断を「アウトパフォーム」から「中立」、目標株価を3700円から850円に下げた。顧客の預金通帳を改ざん、不正に銀行融資を申請していた事実が発覚し、短期的には市場からの信頼は失墜したと指摘。適用PERを直近2年間の東証1部の平均から10%ディスカウントした13.5倍に変更した。今回の問題の影響度が不透明なため、業績予想は変えていないが、今後の動向には留意が必要としている。タテルは4日、外部の専門家アドバイザーを中心とした特別調査委員会を設置した。東証は規定に基づき6日から制限値幅を拡大する。

  学研ホールディングス(9470):6.8%高の4575円。日本政策投資銀行と共同で埼玉県で介護施設の企画や運営管理などを手掛けるメディカル・ケア・サービス(本社:さいたま市大宮区)を買収する。学研HDの株式保有比率は61.8%で、連結子会社とする。サービス付き高齢者向け住宅事業で連携、入居率の向上や施設開発展開力を高める。

  前田工繊(7821):6.6%高の2098円。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は投資判断「買い」、目標株価2710円で新規に調査を開始した。繊維土木資材などソーシャルインフラ事業の持続的成長、自動車用鍛造ホイールなどヒューマンインフラ事業の成長局面入りで長期的な利益拡大が続くと予想。19年9月期にかけ収益モメンタムが強まるとみる。18年9月期営業利益は会社計画の44億円(前期比8.2%増)に対し53億6000万円、来期65億5000万円を見込む。

  串カツ田中ホールディングス(3547):5.6%高の3080円。5日午前に発表した8月の既存店売上高は前年同月比9.7%増と、2カ月連続で前年実績を上回った。客単価は下落したが、客数が12%増と大きく伸びた。

  ロゼッタ(6182):4.4%高の1883円。人工知能(AI)によるIR情報の自動翻訳の精度向上を目的に、日本取引所グループ(8697)と共同で実証実験を開始する。過去に公表された適時開示資料などを大量に自動翻訳し、誤訳のパターンを洗い出す。高精度の自動翻訳が実現すれば、海外投資家などに向け情報発信が一層活発になるとみている。

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