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トランプ米大統領、カナダと再び対決へ-5日にNAFTA協議再開

  • カナダ抜きの新NAFTA案には米議員や企業、労組、農家が反対
  • 議会が支持しないならカナダ抜き案は譲歩引き出す材料にならない

カナダに米国側の条件を飲ませて新北米自由貿易協定(NAFTA)に署名させようとするトランプ大統領の取り組みは、新たなハードルに直面している。カナダ抜きでも新協定は可能と同国に迫るトランプ氏の方針が国内で反発を呼んでいるためだ。

  トランプ大統領は先週末のツイッターで、カナダ参加を支持する共和・民主両党の議員らにいら立ちを爆発させた。大統領はメキシコと合意済みの新NAFTAをカナダ抜きで進める可能性をちらつかせてきたが、議会の支持を得られなければ、5日に再開するカナダとの当局者の交渉で譲歩を引き出す材料になり得ない。

  元米財務省当局者で、現在は独立系シンクタンクの公的通貨・金融機関フォーラム(OMFIF)の米国議長を務めるマーク・ソーベル氏は、米政権には「カナダと合意を結ぶよう求める強い圧力がかかるだろう」と指摘。「カナダは米国の多くの州にとって主要貿易相手であり、米経済の富の多くはカナダと密接に関連している」と説明した。

  ホワイトハウスは中国からの輸入品2000億ドル(約22兆2000億円)相当への追加関税を発動する準備も進めている。意見公募期間は6日に終わるが、事情に詳しい関係者は先週、トランプ大統領が同期間終了直後にも発動させたい意向だと述べた。中国は既に報復措置を講じると表明している。

  トランプ大統領はレーバーデーの祝日の3日、NAFTAを巡り、まずは米労働総同盟産別会議(AFL・ CIO)のリチャード・トラムカ議長批判に動いた。同議長は2日の「FOXニュース・サンデー」で、カナダ抜きでNAFTAがどう機能するか見当が付かないと発言していた。トランプ大統領はツイートで、「彼の発言の一部は米国の勤労者と、米国自身の成功に全く相反するものだった。労働組合がなぜ振るわないのかがよく分かる。民主党員!」と批判した。

  トランプ大統領にとって問題なのは、国内の業界団体や農業団体だけでなく、幅広い両党議員がカナダ抜きの合意には反対すると表明していることだ。カナダ抜き合意へのAFL・ CIOの反対が続けば、トランプ大統領は企業経営者と農家、労働者、政治家と、米通商政策に関わる主要グループ全ての反対に直面する。

  5日に再開する米国とカナダの交渉に関して、両国の当局者は共に、前進していると主張している。しかし交渉は、カナダが手厚く保護する乳製品市場や、トランプ政権が撤廃を目指している紛争解決メカニズムなど重要問題では行き詰まったままだ。

  NAFTA19条として知られる同メカニズムは、反ダンピング措置で徴収される特別関税など互いの貿易救済措置について、2国間パネルに異議申し立てが可能。カナダにとって同メカニズムは譲れぬ一線となっている。

原題:Trump Faces Fight With Canada Over Nafta as China Duties Near(抜粋)

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