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EU財務相・中銀総裁、ECB利上げへのユーロ圏経済の耐性議論へ

  • 7日にウィーンで開く会合で金融の安定性を話し合う
  • ECBの責務は物価安定であり資産価格の誘導ではないと当局者

欧州連合(EU)各国の財務相・中央銀行総裁は7日、ウィーンで開かれる会合で、先行き予想される欧州中央銀行(ECB)の利上げに耐えることができるかどうかという、景気拡大局面にあるユーロ圏経済にとっての主要な試練について議論する。

  この議論は10年間に及ぶ一連の危機やリセッション(景気後退)を経て、ユーロ圏経済が比較的堅調である現状を反映するものだが、新たな課題も意味する。ECBは何年にもわたる異例の金融緩和策を段階的に縮小する方針だが、株価や不動産価格などが緩和策で膨らんでいるとすれば、その解除に伴って資産市場の不安定化を招くリスクがある。

  一部の国々はこれに関して既に警告を発している。ドイツ連邦銀行は、同国主要都市の住宅価格が最大35%過大評価されていると推計。フランスは高水準にある企業債務を心配している。イタリアのポピュリスト政権は、ECBの緩和縮小に際して債券市場が投機家の攻撃に遭う恐れがあると懸念している。

  欧州政策研究所(CEPS)のディレクター、ダニエル・グロス氏は「われわれの経験では、いったんバブルが形成されれば、小幅な利上げでは効果に乏しいケースが非常に多いことが示されている」と指摘。「目前にあるはっきりとした危機として、検討を開始しようというのは正しい」と語った。グロス氏は半期に一度の同会合で論文を提出する。

The ECB has yet to follow the BOE and Fed in raising interest rates

  グロス氏はこの論文で、金利上昇は「必ずしも一段と広範な金融市場の不安定性の前触れとはならない」とした上で、実際、長期にわたる低金利政策の継続は「やがて脆弱(ぜいじゃく)性の高まりにつながる可能性がある」と結論付けている。

  ECB当局者にとっての問題は、何が自分たちの主管であり、各国政府には何を委ねるべきかというものだ。ECBのチーフエコノミストを務めるプラート理事は先月、消費者物価の安定だけでは金融の安定性を確保できないとして、中銀として市場を監視する必要性を認めた。ドイツ連銀のバイトマン総裁は、不均衡が膨らんで金融危機につながるのを防ぐため、当局がそれに対処しなければならない可能性に言及した。

  ただ両氏とも、中銀が金融の安定性確保を物価安定と並ぶ主要な責務とする考えには反対であり、そのようなことをすれば有害無益となる恐れがあるとバイトマン総裁は主張している。

原題:ECB Endgame Has Governments Debating Possible Rate-Hike Damage(抜粋)

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