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ECB利上げでも心配は無用-欧州政策研究所ダニエル・グロス氏

  • 7日のEU財務相・中銀総裁会合に提出の論文で指摘
  • 利上げをあまりにも長く先送りすれば先行き問題招く

欧州政策研究所(CEPS)のディレクター、ダニエル・グロス氏は、欧州中央銀行(ECB)が過去何年にもわたる金融緩和策を終えることになっても、金融の混乱を引き起こすと心配する必要はないと論文で指摘する。

  7日にウィーンで開かれる欧州連合(EU)各国の財務相・中央銀行総裁の会合に提出される論文をブルームバーグが入手したもので、「金利上昇は必ずしも一段と広範な金融市場の不安定性の前触れではない」としている。

  現在EU議長国を務めるオーストリアは、金利正常化が金融面の問題を引き起こすかどうかや、脆弱(ぜいじゃく)性にどう対処すべきかについて検討するよう各国代表に呼び掛ける方針。ブルームバーグが入手した同国政府のメモで示された。

  グロス氏は、ECBによる量的緩和(QE)の終了と非常にゆっくりとしたペースでの利上げ方針はプラスマイナス両面があると分析。借り入れコストの上昇は中銀の利益を減らし、最終的には各国政府の国庫にも影響が及ぶ一方、商業銀行のバランスシート改善で経済成長を支えることになる。

  グロス氏はまた、利上げをあまりにも長く先送りすれば、先行き問題を招くと警告。「政策正常化は政府や大手金融機関の資金調達上の問題を生じさせることはなく、リスク回避やリスクプレミアムの突然の回帰につながると懸念する理由もほとんどない」と指摘。それどころか、長期にわたる低金利継続のシナリオの下では「やがて脆弱性の高まりにつながる可能性がある」としている。

  さらに、ECBによる政策正常化が世界レベルで大規模な金融パニックを招来する公算も小さいとし、トルコやウクライナをはじめとする一部の近隣各国が脆弱であるとしても、欧州の銀行にはそうした地域にほとんどエクスポージャーがなく、衝撃は限られる可能性が大きいと説明。「中国の信用問題の方が、トルコの問題よりもユーロ圏の銀行にとってずっと重要と考えられる」と論じた。

原題:EU Finance Ministers to Be Told Not to Fear Rising ECB Rates(抜粋)

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