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トランプ関税による景気腰折れ防ぐ-中国の消費者動向が焦点

  • 北京など大都市では家賃高騰で可処分所得が目減り
  • 比較的小さい都市では生活スタイルの向上続く-BMW購入も
American Brands in Shanghai as U.S Tariffs Imposed on China
Photographer: Qilai Shen/Bloomberg
American Brands in Shanghai as U.S Tariffs Imposed on China
Photographer: Qilai Shen/Bloomberg

中国の消費者心理を正確に把握することが、これほど重要になったことはまずない。

  北京など大都市では家賃の高騰で可処分所得が目減りしており、多くの住民の生活は今年厳しさを増している。トランプ米政権が今週、2000億ドル(約22兆2000億円)相当の中国からの輸入品に対する追加関税の発動を決める可能性があり、貿易摩擦が本格的に中国経済を脅かし始める中、国内景気が底堅く推移するかどうかは消費者の信頼感によるところが大きい。

  北京で建築士をしている付冉さん(29)は8月、月収の約半分が既に家賃で消えていたところに家賃をさらに30%引き上げ月4000元(約6万4900円)にするとの通知を受けた。近くにある名門の清華大学で学んだ付さんは「高い水準の教育を受けたが、金がない」と自嘲気味に話す。

  生活に余裕がない付さんは、外食や交際、旅行関連の費用を減らさざるを得ないと言う。ソーシャルメディア上では「消費降級」という言葉も飛び交い、付さんのようなケースは珍しくない。だが、今では消費による年間の国内総生産(GDP)成長率への寄与が3分の2余りに達しており、中国当局にとってこうした動向は重要だ。

China's disposable income growth slows, weighing on consumption

  一方で、中国国民の豊かさが増しているという大きな流れは変わらない。小売売上高の伸び率は前年同月比で9%を下回るが、これだけで消費の全体像を把握することはできないかもしれない。実際、政府の四半期家計調査では支出が加速している。

  オーバーシー・チャイニーズ銀行の謝棟銘エコノミスト(シンガポール在勤)は、「家賃上昇に直面する若者や個人間(P2P)融資プラットフォームでの不履行でお金を失った預金者など、多くの人々が費用を切り詰めなければならないとプレッシャーを感じているかもしれない」と指摘する一方、「富裕層の楽観度合いなどを測る良い指標である海外旅行での支出はかなり堅調だ」と述べた。

  生活コスト面でのプレッシャーが比較的小さい都市では生活スタイルの向上が続いている。北京から南東に1000キロメートル余り離れた南京に住むエンジニアの郭穎さん(33)は、「BMW520」を42万元(約680万円)で買ったばかり。就学前の子どもを育てる郭さんは分割払いで購入したが、全般的に満足しているという。

  付さんと郭さんのケースは、中国の消費文化の実像をより良く示している。購買力は短期的に弱まる可能性があることを示す材料はあるものの、輸出や投資ではなく消費主導の経済への全般的なシフトが脱線することはなさそうだ。

原題:China’s Consumers Are On Point to Defend Economy From Trump(抜粋)

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