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4-6月期設備投資は11年ぶり伸び率、半導体関連が寄与

更新日時
  • 設備投資額は前年同期比12.8%増の10兆6613億円-予想は6.5%増
  • GDP改定値は上昇修正も、輸出減速で年後半は減速見込む-野村証

財務省が3日発表した法人企業統計によると、4ー6月期の全産業(金融・保険を除く)の設備投資は市場予想を大幅に上回り、11年ぶりの伸び率となった。半導体関連など企業の生産能力増強投資が寄与した。経常利益は過去最高を更新した。

キーポイント

  • 設備投資額は前年同期比12.8%増の10兆6613億円(ブルームバーグ調査の予想中央値は6.5%増)、7期連続のプラス-前期は3.4%増
  • 国内総生産(GDP)改定値に反映されるソフトウエア除く設備投資は同14%増の9兆8087億円(予想は7.4%増)-前期は2.1%増
  • 全産業の売上高は同5.1%増の344兆6149億円-前期は3.2%増
  • 全産業の経常利益は同17.9%増の26兆4011億円-前期は0.2%増
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背景

  4-6月期の実質国内総生産(GDP、速報値)で、設備投資は1.3%増と7期連続の増加。個人消費とともに市場予想を上回って伸び、GDPを2期ぶりのプラス成長に押し上げた。10日発表される4-6月期のGDP改定値では、法人企業統計のソフトウエアを除く設備投資が反映される。

  7月公表の日銀短観によると、2018年度の全規模・全産業の土地を除いた設備投資は前年度比7.4%増となる見込み。政府は8月の月例経済報告で、景気や設備投資はそれぞれ緩やかに回復、増加しているとの基調判断を維持。一方で、輸出は「持ち直している」から「持ち直しの動きに足踏みがみられる」に下方修正された。

  トランプ米大統領の指示で検討中の自動車や同部品への関税が導入されれば、日本経済に大きな打撃となる可能性があり、米中貿易摩擦がエスカレートすると世界経済に停滞をもたらしかねない。北京を訪問している麻生太郎副総理兼財務相は30日、韓正筆頭副首相、劉鶴副首相と相次いで会談し、保護主義的な政策は「どの国の利益にもならない」との認識で一致した。

エコノミストの見方

  • 野村証券の桑原真樹シニアエコノミストは電話取材で、設備投資は「かなり強い」と述べ、GDP改定値の設備投資が上方修正される可能性が高いとの見方を示した。先行指標となる機械受注や日銀短観の設備投資計画でも製造業の強さが目立っており「大きな違和感はない」とする一方、先行きについては輸出の減速が明確となる中、「年後半の設備投資は減速する」とみている。
  • みずほ証券の末広徹シニアマーケットエコノミストはリポートで、4-6月のGDP成長率が 1次速報から上方修正され、前期比0.6%、年率2.5%になると予想した。ただ輸出と生産の伸び悩みから能力増強を目的とした設備投資には期待しづらく、「増加ペースは徐々に鈍化する」と分析した。
  • 大和証券の岩下真理チーフマーケットエコノミストは電話取材で、過去最高の収益を上げる企業もある中、内部留保が増加する状況は変わっていないと指摘。円高リスクを懸念し、企業は「内部留保を使いきれない」と述べた。

詳細

  • 設備投資(ソフトウェア込み、除くともに)の伸び率は7年1-3月期以来の高水準
    • 製造業では情報通信機械や化学、輸送用機械の生産能力増強投資、非製造業では運輸業による駅周辺の再開発や電気業の原子力発電設備などへの安全対策投資が寄与-財務省の担当者
  • 経常利益は製造業、非製造業、全産業ともに過去最高を更新
    • 増益寄与度の最も高かったのは情報通信機械で、自動車向け半導体製品が好調だったほか、一過性の事業売却益も計上した。サービス業で事業拡大に伴う受取配当金が増加し、卸売業で資源価格上昇に伴って販売価格が押し上げられたことも寄与-財務省の担当者
  • 17年度の利益剰余金は過去最高の446兆4844億円
(エコノミストコメントを差し替え、詳細を追加しました.)
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