ペソの価値はいくらか-混乱のアルゼンチン経済、商取引は即金のみ

  • ペソ急落で企業は価格提示できず、クレジット供与も不可能に
  • インフレ率30%、ペソ安でさらに加速の見通し

「ペソ急落後、明確な基準価格はなくなってしまった」。

  ブエノスアイレスで外科用医療機具の輸入会社を経営するトミー・サムソン氏は、アルゼンチンの金融市場混乱で事業縮小を強いられた理由を説明した。サムソン氏の会社は外貨で製品を輸入し、ペソで国内の顧客に販売する。ペソ急落でこれが成り立たなくなりつつある。

  アルゼンチン・ペソは今年に入り50%余り下落。今週だけで下落率は20%前後に達する。これが企業のサプライチェーンを寸断し、家計を圧迫するなどアルゼンチン経済に大混乱を引き起こしつつある。

Record Rout Deepens

Argentine peso worst performer in 2018 among emerging-market peers

Source: Bloomberg

Note: Values as of 8 p.m. New York time

  インフレ率は30%を超え、ペソ安でさらに加速する見通し。国内で仕入れを行う企業ですら、対処は難しい。

  ハンバーガーやホットドッグ用のパンを生産する会社を営むパブロ・リカッティ氏は、2週間前にトランク2台分の小麦粉を購入した。「価格上昇に備えたヘッジ」が目的だった。仕入れ先は通常、払い込みまで数週間の猶予をくれるが、「今や応じてくれない」という。「こうやって話している間にも」価格が上がっていくからで、「自分が即金で支払う必要がある。だから今後はそうする」と語った。

  先行きを見通しづらいのは大企業も同じだ。アルゼンチン最大の繊維会社TN&プラテックスは、即金で支払うことのできる買い手には価格を提示できるとテディー・カラゴジアン最高経営責任者(CEO)は述べた。平時なら60日や90日のクレジットを顧客に提供できるが、為替の急変動でそれはできなくなったと明らかにした。

ブエノスアイレスの外貨両替所に列を作る市民ら(30日)

フォトグラファー:Erica Canepa / Bloomberg

原題:What’s a Peso Worth? All Bets Are Off as Argentina Pain Spreads(抜粋)

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