アップルやオラクルが社債の売り手に変化-市場に3000億ドルの穴

  • テクノロジー企業は留保資金による他企業の短期社債購入を停止
  • 最大の買い手だった企業が売り手に変わる中、金利は上昇

米政府による減税措置を受けてアップルなどのテクノロジー企業が海外留保資金を本国に戻す中、これら企業がかつて留保資金の大半を投じていた短期の社債市場に大きな穴が生じている。こうした動きが影響し、他の企業が資金を借り入れる際のコストが上昇している。

  アップルやマイクロソフト、オラクルなど潤沢な手元現金を持つ企業21社は、かつて短期社債の最大の買い手だったが、現在では売り手に変化している。バンク・オブ・アメリカのストラテジストらが追跡するデータによれば、これら企業はかつて四半期につき250億ドル(約2兆7700億円)相当の社債を買い入れていたが、現在は500億ドルの売却に転じており、市場には年間3000億ドルの穴が生じている。

  この逆転現象は、米金融当局の利上げで既に打撃を受けている市場にさらなる圧力をかけつつある。ブルームバーグとバークレイズの指数によれば、償還期間が1-3年の社債の利回りは今年、0.85ポイント上昇して3.21%と、8年ぶり高水準付近だ。金利の上昇ペースは、テクノロジー企業による購入の頻度がより少ない中長期の社債より速い。

  事業の運営資金を短期の社債に依存する企業にとっては、これは5億ドル相当の社債発行につき毎年425万ドル相当の金利コストが追加で生じることを意味する。ニューバーガー・バーマンのマネーマネジャー、ボブ・サマーズによれば、多くの発行体は中長期の債券を発行することで対応している。だがテクノロジー企業は年末にかけて米国への資金還流を増やす可能性が高く、市場の痛みはひどくなる一方だと、ハイタワー・アドバイザーズ・トレジャリー・パートナーズのマネジングディレクター、リチャード・サパースティーン氏は指摘する。

  同氏は「資金フローの方向変化はまだ本格的には始まっていない」とし、「そうしたマネーの流れが一段と加速し、十分な吸収がなければ、スプレッドは拡大する」と続けた。

原題:Apple, Oracle Dump Bonds and Create $300 Billion Hole in Market(抜粋)

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