日本株は下落、貿易摩擦再燃と連騰疲れー素材や輸出、金融売られる

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  • 米大統領、2000億ドル対中追加関税の来週発動意向を示す
  • 為替は一時1ドル=111円割り込む、株価指数下げ幅は限定的
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

31日の東京株式相場は下落。米国のトランプ大統領が対中国の追加関税を来週にも発動する意向を示し、貿易摩擦への警戒が再燃した。直近の連騰を受けた買い疲れもあり、鉄鋼や非鉄金属など素材株、自動車やゴム製品など輸出株が安く、銀行や保険など金融株、石油株も下げた。

  TOPIXの終値は前日比3.79ポイント(0.2%)安の1735.35と続落。日経平均株価は4円35銭(0.02%)安の2万2865円15銭と、小幅ながら9営業日ぶりに反落した。

  SMBC信託銀行投資調査部の佐溝将司マーケットアナリストは,、「米国による対中国追加関税2000億ドルは前からくすぶっていたが、影響の大きさからさすがに実施されないとの見方が多かっただけに、現実味を帯びると市場はマイナスに反応した」と言う。米中通商協議の再開や北米自由貿易協定(NAFTA)の合意方針を受け、「トランプ米大統領の強硬姿勢が和らぐとの期待で株式相場は上昇してきたが、『やはり』という失望感から売りが先行した」とみていた。

東証玄関前

Photographer: Akio Kon/Bloomberg

  トランプ米大統領は中国からの輸入品2000億ドル相当への関税について、9月6日までの公聴会が終わり次第、発動したい考えだと事情に詳しい関係者が明らかにした。同大統領は、欧州連合(EU)が提示した自動車関税撤廃案に関しても「十分良いものではない」と述べ、はねつける意向も示している。

  前日の米S&P500種株価指数は0.4%安と5日ぶりに反落。きょうのドル・円は一時1ドル=110円80銭台と、前日の日本株終値時点111円65銭からドル安・円高水準に振れる場面があった。大和証券投資情報部の石黒英之シニアストラテジストは、「米中は協議を続けていたため、いったんは先送りとの期待が高かっただけに、早期の追加関税発動との観測で冷や水を浴びせられた」と指摘。また、トランプ大統領がEUの自動車関税を批判したことも「9月の日米通商協議で自動車が標的にされやすくなった。日本にとってネガティブ」と受け止める。

  週末・月末を迎えたきょうの日本株は、貿易問題に対する警戒再燃で売り先行で始まり、朝方に日経平均は一時191円安まで下げ幅を広げた。ただ、その後は徐々に下げ渋り、午後に入るとTOPIXとともにプラス圏に浮上する場面もあった。中国の8月の製造業購買担当者指数(PMI)が市場予想を上回った点も持ち直した要因の一つ。PMIは51.3と前月の51.2から上昇、事前予想は51だった。

  野村証券投資情報部の小高貴久エクイティ・マーケット・ストラテジストは、対中2000億ドルの追加関税は額が大きく、間接的に日本にも影響が及ぶ可能性はあるが、「7月の340億ドル、8月の160億ドルが発動された後、翌日に米国株は上昇しており、今回もある程度市場に織り込まれている」と話していた。

  • 東証1部33業種は石油・石炭製品、保険、鉄鋼、非鉄金属、銀行、海運、ゴム製品、輸送用機器、鉱業など24業種が下落、保険など金融セクターは前日の米10年債利回りが2.86%と2ベーシスポイント低下した影響もあった
  • 上昇は医薬品、精密機器、サービス、不動産、情報・通信、倉庫・運輸、陸運など9業種
  • 売買代金上位では、中国教育省のゲーム本数制限計画を受けカプコンやネクソンが安い、ファナックやスルガ銀行、東京海上ホールディングス、JXTGホールディングスも下げた
  • これに対し、中国テンセントグループとの合弁会社設立などの提携を野村証券が評価したスクウェア・エニックス・ホールディングス、新事業として仮想通貨「LINK」を9月から取り扱うLINEは高い
  • 東証1部の売買高は13億302万株、売買代金は2兆4086億円、大引け時点ではMSCI指数の銘柄入れ替えによるリバランス需要があり、代金は前日に続き2兆円を超えた
  • 値上がり銘柄数は736、値下がりは1253
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