8月30日の海外株式・債券・為替・商品市場

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欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次の通り。

◎NY外為:円が高い、対中関税の報道や新興国通貨の下落で

  30日のニューヨーク外国為替市場では、円が主要通貨全てに対して上昇。新興国通貨の値下がりや、トランプ米大統領が中国からの輸入品2000億ドル相当への関税を発動したい考えだとの一部報道を受けてリスク選好が後退した。

  円は対ドルで終値ベースで約1カ月ぶりの大幅高。アルゼンチン・ペソとインド・ルピーは過去最安値を更新。ブラジル・レアルも大きく下げた。対中関税に関する報道後には、円が上げを拡大した一方、オーストラリア・ドルは一段と下げた。トランプ大統領が、欧州連合(EU)による自動車関税の撤廃提案は十分ではないと発言した後は、円はこの日の高値を付けた。大統領はこのほか、世界貿易機関(WTO)が米国をよりよく扱わなければ、脱退するだろうとも指摘。キャピタルゲイン税のインフレ率とのリンクを検討していることも明らかにした。

  米国債利回りの低下なども背景に円は上昇。一方でドルも高い。英国の欧州連合(EU)離脱を巡る懸念や欧州の周辺国国債の利回り低下がユーロに重しとなった。

  ニューヨーク時間午後4時59分現在、円はドルに対して0.6%高の1ドル=110円98銭。対ユーロでは1%上げて1ユーロ=129円51銭。主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.2%上昇。ドルはユーロに対し0.3%高の1ユーロ=1.1671ドル。

  ドルはこの日、主要通貨の大半に対して値上がり。一方でユーロは過半数に対して下落した。

  朝方発表された個人消費支出(PCE)では、米金融当局が注目するPCE価格指数が前年比2.3%上昇と、2012年以来の大幅な伸びを示した。一方、ドイツの8月の消費者物価指数(CPI)は前年比1.9%上昇。市場予想は2.1%上昇だった。

欧州時間の取引

  ユーロは欧州時間も軟調。ドイツのインフレ指標で一部地域での物価上昇ペース減速が示されことが重しとなった。    
原題:Yen Extends Gains on Tariff Report as EMs Tumble: Inside G-10(抜粋)
Euro Drops on German Regional Inflation; Kiwi Falls: Inside G-10
 

◎米国株・国債・商品:株が反落、米の対中関税巡る報道で売り

  30日の米株式相場は反落。トランプ米大統領は中国からの輸入品2000億ドル相当への関税を来週にも発動したい考えだと報じられたのが手掛かり。イタリア国債、アルゼンチンとトルコの通貨がそれぞれ急落したことを受け、米国債は上昇した。

  • 米国株は反落、対中関税巡る報道受けて下げ幅拡大
  • 米国債は上昇、イタリア国債や新興国資産が売りで質への逃避需要
  • NY原油は続伸、70ドル台回復-供給引き締まり
  • NY金は続落、ドル高や貿易懸念再燃で

  S&P500種株価指数は米の対中関税を巡る報道の後、下げ幅を拡大した。ただアップルは、ウォーレン・バフェット氏が肯定的な見解を示したことから、上昇を維持した。

  S&P500種は前日比0.4%下げて2901.13。ダウ工業株30種平均は137.65ドル(0.5%)安の25986.92ドル、ナスダック総合指数は0.3%安の8088.36。ニューヨーク時間午後4時43分現在、米10年債利回りは3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低い2.86%。

  ニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)が続伸。米国の原油在庫が減り生産が増えなかったほか、11月4日の制裁発動を前にイラン産原油の供給が逼迫(ひっぱく)していることを受け、1カ月ぶりにバレル当たり70ドル台を回復した。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物10月限は74セント(1.1%)高の1バレル=70.25ドルと、約5週間ぶりの高値で終えた。ロンドンICEの北海ブレント10月限の終値は63セント高い77.77ドル。

  ニューヨーク金先物相場は続落。ドル相場が反発したのに加え、貿易摩擦懸念の再燃で商品の需要が後退し、貴金属から工業用金属まで、幅広く売りが出た。トランプ米大統領が中国からの輸入品2000億ドル相当への関税を来週発動したい考えだと報じられた。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物12月限は0.5%安の1オンス=1205.00ドルで終了。

  世界経済見通しへのリスクが意識されたほか、最近の株価上昇が行き過ぎだったかもしれないとの見方も浮上し、慎重な地合いとなった。フォート・ピット・キャピタル・グループのシニア・ポートフォリオ・マネジャー、キム・フォレスト氏は、4-6月(第2四半期)の企業決算には関税の影響があまりなかったようだが、貿易障壁の高まりは投資家心理を圧迫すると指摘した。

  米国債市場では、トランプ米政権の対中関税に関する報道に5年債が最も大きく反応した。朝方は、トルコ、アルゼンチン、イタリア金融市場の緊迫が国債買いを促した。
原題:U.S. Stocks Fall on Trump Plan for China Tariffs: Markets Wrap(抜粋)
Treasuries Rise Amid Emerging-Market Stress, Tariffs Report
Oil Closes Above $70 First Time in a Month Amid Tighter Supply
Metals Trounced as Dollar Gains Combine With Fresh Trade Fears

◎欧州債:ドイツ債が上昇、イタリア債は下落-リスクオフ優勢

  30日の欧州債市場は、ドイツ債の利回り曲線がブルフラット化した。一方、リスクオフの地合いでイタリア債はベアフラット化し、スプレッドは広がった。

  ドイツ債は上げ幅を拡大。リスク回避の地合いや金融機関の社債発行、予想を下回ったドイツのインフレ率、イタリア債の下落、月末のデュレーション長期化などが背景にある。

  イタリア債は新発5年債入札が順調だったことから朝方に上昇したが、下げに転じた。アルゼンチン・ペソを中心に新興国通貨が急落し、リスクを取る動きが弱まった。

  英国債はドイツ債に連れて上昇。イングランド銀行のデータでは、海外投資家は7月に記録的なペースで英国債を売却したことが明らかになったが、相場に影響はなかった。

  ドイツ10年債利回りは5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の0.35%、スペイン10年債利回りは変わらずの1.47%、イタリア10年債は8bp高い3.20%。
原題:Bunds Rally; BTPs Slump on Risk Off; End-of-Day Curves, Spreads(抜粋)

(NY外為と米国株・国債・商品を更新します.)
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