Photographer: Akio Kon/Bloomberg

8月東京消費者物価0.9%上昇、伸び率は3カ月連続拡大

更新日時
  • 携帯通信料引き下げ考えると、上昇率1%定着も危ういとの見方も
  • 有効求人倍率は3カ月連続で改善、完全失業率は2カ月連続悪化

全国の物価の先行指標となる8月の東京都区部の消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)は0.9%上昇となり、伸び率は3カ月連続で拡大した。市場予想を上回った。上昇は14カ月連続。総務省が31日発表した。同日発表の雇用関連統計は堅調に推移している。

キーポイント

  • 東京都区部コアCPIは前年比0.9%上昇(ブルームバーグの予想中央値は0.8%上昇)-前月は0.8%上昇
  • 生鮮食品とエネルギーを除くコアコアCPIは0.6%上昇(予想は0.5%上昇)ー前月は0.5%上昇
  • 総合指数は1.2%上昇(予想は1.0%上昇)-前月は0.9%上昇
  • 7月の有効求人倍率は1.63倍(予想は1.63倍)は3カ月連続で改善-前月は1.62倍
  • 7月の完全失業率は2.5%(予想は2.4%)は2カ月連続で悪化-前月は2.4%


背景

  東京都区部のコアCPIは14カ月連続で上昇したが、物価の基調は低迷している。日銀は7月末の金融政策決定会合で、消費増税の影響を除く2019年度のコアCPI前年比の見通し(政策委員の中央値)を1.8%上昇から1.5%上昇に下方修正。同時に、金融緩和を粘り強く続けるためフォワードガイダンス(政策金利の指針)の導入や持続性強化の対策を打ち出した。

  ただ物価の先行きは引き続き厳しい。菅義偉官房長官は21日の講演で、大手携帯事業者は競争が働いていないと指摘、携帯電話料金は今より4割程度下げる余地があると述べた。携帯電話通信料は足元でも物価の押し下げに作用しており、下げ基調が拡大すれば物価全体への影響は大きい。物価の基調が弱いだけに、日銀は再度の下方修正を迫られるとの見方が強い。

エコノミストの見方

  • 東海東京調査センターの武藤弘明チーフエコノミストは電話取材で、東京都区部の消費者物価について「予想は上回ったが、宿泊料の特殊要因を考えると、日銀にとっては失望的な内容だ」と指摘。「携帯電話通信料が今後下がっていくことを考えると、上昇率1%が定着するかどうかも危うい」とみている。
  • みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストは、宿泊料頼みの物価上昇に「コアコアCPIは日銀目標の4分の1しか達成しておらず、2%は程遠い。日銀の政策を変えるような数字では決してない」と語った。
  • 農林中金総合研究所の南武志主席研究員は、失業率の悪化について「7月は労働参加が進んで雇用者数も増えている。6月は単月として悪かったが、2-5月にかなりの勢いで雇用が増えている反動が出ただけだ」とし、失業率の上昇は「心配するような話」ではないとの見方を示した。

詳細

  • 上昇は生鮮野菜(15.6%)、宿泊料(10.2%)、ガソリン(16.0%)など、下落はルームエアコンなど家庭用耐久財(3.8%)、携帯電話通信料(3.7%)
  • 宿泊料が全体を押し上げ-祝日と盆休みが重なる特殊要因で高めに出たと総務省
  • 携帯電話通信料は昨年8月のKDDI(au)の新料金プラン導入の影響が一巡し、下落幅縮小
  • 8月の全国消費者物価指数は9月21日に発表
(外部コメントを差し替えるとともに、詳細を追加します.)
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