ドルは111円前半で小動き、NAFTA期待支えも日銀委員発言が重し

更新日時
  • リスクセンチメント悪くなく、クロス円中心に買われやすい-NBC
  • 材料難の中で鈴木日銀審議委員発言に反応-ソシエテ

東京外国為替市場のドル・円相場は1ドル=111円台前半で小動き。日本株上昇や北米自由貿易協定(NAFTA)交渉での米国とカナダの合意期待などを背景に買いが先行したが、その後は日本銀行の鈴木人司審議委員の金利引き上げに関する発言を受けて上げ幅を削る展開となった。

  ドル・円相場は29日午後3時52分現在、前日比ほぼ横ばいの111円21銭。午前に一時111円32銭まで上伸した後、午後には一時111円12銭まで下げる場面もあった。日中の値幅は20銭にとどまった。ドル・カナダドル相場はNAFTA交渉を巡る報道を受けて、一時0.2%ドル安・加ドル高の1ドル=1.2903加ドルを付けた。

  NBCフィナンシャル・マーケッツ・アジアのデービッド・ルー氏(香港在勤)は、ドル・円について「米株高に日本株高も続いており、クロス円(ドル以外の通貨の対円相場)中心に買われやすい環境」とした上で、「カナダのNAFTA交渉に向けた報道で貿易交渉が週末の期限までにまとまることへの期待が高まってきていることも、リスクセンチメントを後押ししている」と説明。一方で、「月末に絡んだドル売りが重しになっている」と述べた。 

米国とカナダの貿易交渉についての記事はこちらをご覧ください

  カナダはNAFTA交渉で乳製品に関してトランプ政権に譲歩する用意があると、加紙グローブ・アンド・メールが伝えた。NBCのルー氏は、乳製品について「カナダの乳製品の供給管理制度は米国とカナダのNAFTA交渉において一つの焦点になっていた」と指摘した。

鈴木日銀審議委員の発言に関する記事はこちらをご覧ください

  ソシエテ・ジェネラル銀行の鈴木恭輔為替資金営業部長は、鈴木日銀審議委員が金融緩和の長期化による副作用の軽減策について「例えば金利の引き上げがある」と述べたことをドル・円の上げ幅縮小の理由に挙げ、「他の発言を見てもそこまでドル・円が売られる内容ではなかったが、7月末の日銀会合以降、金利上昇リスクに対する懸念がくすぶっていることから、材料難の中で発言のヘッドラインに反応しやすかったのではないか」と説明した。

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