トランプ大統領の新NAFTA、雇用と貿易赤字の公約実現できない恐れ

  • カンター元USTR代表:米国は雇用を失うだろう
  • 北米製造の自動車の多くは新協定の基準を既に上回っていると専門家
Photographer: Luke Sharrett/Bloomberg
Photographer: Luke Sharrett/Bloomberg

トランプ米大統領は北米自由貿易協定(NAFTA)改定により、米国に製造業の雇用を戻し、対メキシコ貿易赤字を縮小する貿易の革命を行うと明言してきた。

  トランプ大統領が27日に発表したメキシコとの「極めて特別」で「素晴らしい」合意の内容はまだ暫定的なものであり、議会の承認が必要だ。しかし、業界の専門家やアナリストらは、この合意内容はトランプ氏が掲げた主たる目標を満たさず、むしろ逆に働きかねないと指摘する。そしてトランプ大統領に対し、政治的に打撃をもたらす可能性があるという。

  クリントン政権時代、米通商代表部(USTR)代表としてNAFTA発効を主導したミッキー・カンター氏は、「われわれは雇用を失うだろう」と述べた上で、「これを行う主な理由は雇用創出よりむしろ、政治哲学を実現させることだ」と指摘した。

  ゴールドマン・サックス・グループのエコノミストらは、「これが発効した場合、条項の修正が米国のマクロ経済に多大な影響を及ぼすことはないとわれわれは予想する」と指摘した。

  米国とメキシコは、自動車の無関税輸出の条件である域内部材調達比率を3年以内に現行の62.5%から75%に引き上げることや、自動車の製造工程の40-45%を時給16ドル以上の地域で行うことで合意した。

  自動車研究センター(ミシガン州アナーバー)のクリスティン・ジチェック氏は、北米で製造されている自動車の多くは新協定の部材調達比率だけでなく、賃金の基準も既に上回っていると指摘した。

  メキシコのグアハルド経済相は、メキシコから米国に輸出される自動車の70%は既に新ルールを満たしており、残る30%の自動車も現行の2.5%の米関税だけしか課されないと述べた。

原題:Trump’s Nafta 2.0 May Leave His Job, Deficit Pledges Unfulfilled(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE