ヘッジファンドと運用会社、米国債「綱引き」で降参するのはどっち

  • 綱引きが決着すれば、10年債利回りはボックス圏を脱する可能性
  • ファンドか資産運用会社、どちらかが近く降参と野村は予想

米国債市場では2つの勢力が綱引きを続けている。引き合う力が極端なレベルに達しているため、いずれかが降参し、10年債利回りが6月半ば以降のボックス圏を脱する可能性がある。

  資産運用会社は10年債先物のロング(買い持ち)を積み上げ続け、一方でヘッジファンドはショート(売り持ち)を増やしている。米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、ポジションの乖離(かいり)は記録的な大きさになっている。

  どちらかが近く降参すると、野村の金利ストラテジスト、ジョージ・ゴンキャルベス、サム・ウェン両氏はみている。8月末はいずれのグループもポジションを見直す時期だからだ。

  資産運用会社とヘッジファンドそれぞれの「断固とした一方的な見方の綱引き」が10年債利回りを比較的狭いレンジにとどめてきたと、両ストラテジストは27日のリポートに記述。「しかし、これはそう長く続かないかもしれない」と付け加えた。

  貿易紛争の悪化やトランプ米大統領の元側近らを取り巻く法的問題で米国債はこのところ買われ、10年債利回りは今月に入って総じて低下している。1日は一時3%に達したが、27日は2.84%前後。

  このトレンドが続けばヘッジファンドが降参し、ショートカバーの買いで利回りが2.7%を下回る可能性があると野村のストラテジストらはみる。

  しかし、もっと可能性が高いのは強気派が折れるシナリオで、9月15日に税制上の優遇措置が失効して年金基金からの需要が後退すれば、10年債利回りの上昇圧力は強まる公算だという。

原題:Something’s Got to Give in Treasury Market ‘Tug-of-War’(抜粋)

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