利回り曲線になおリセッション予兆としての効力-SF連銀リポート

  • 「今回は事業が異なる」との主張に疑問投げ掛ける
  • 要因が何かに関わらず長短逆転は将来のリセッションのサインに

サンフランシスコ連銀は27日、期間が長めの債券保有で投資家が求めるタームプレミアムがマイナスとなっている現状を踏まえても、リセッション(景気後退)の予兆としてのイールドカーブ(利回り曲線)の形状は効力を失っていないとする調査リポートを公表した。

  過去の事例では、利回り曲線の長短逆転に続いてリセッションに陥るケースが示されており、金融当局者や市場関係者は縮小が続く長短利回り格差(スプレッド)を注視している。長短逆転とリセッションとの間にこうした関係が存在する理由は明確でない。

  イエレン前米連邦準備制度理事会(FRB)議長をはじめとする一部の当局者や識者らは、タームプレミアムが圧縮されていることを理由に、利回り曲線の平たん化が今回はリセッション入りの前触れとはならない可能性があると指摘してきた。

  つまり、当局の債券購入プログラムや構造的な要因によって長期金利が低めとなっているのであれば、わずかな金融引き締めでも長短逆転が生じる可能性があるという論理で、長短金利の逆転をもたらすのに米当局による強力な引き締めが必要だった過去の事例とは異なるというわけだ。

ウィーデンのチーフ・グローバル・ストラテジスト、マイケル・パーブス氏は、利回り曲線への米金融政策の影響について説明

市場:The Open。​​」(出所:Bloomberg)

  だが、サンフランシスコ連銀で調査アドバイザーを務めるマイケル・バウアー、トーマス・マーテンス両氏はこうした論理に反論する。両氏はタームプレミアムの推計値を差し引いた「見通しのみ」に基づくスプレッドを算出した上で、長短逆転がタームプレミアムの圧縮によるものであろうと、低めの短期金利見通しが長期金利を抑制していることによるものであっても、リセッションのリスクが高いことの合図であるとの結論に達した。

  両氏は「タームプレミアムに基づく調整に実証的根拠は見当たらない」としている。

  米2年債と10年債のスプレッドは27日、18.3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)と、2007年以来の水準まで縮小。タームプレミアムはマイナス50bpよりもさらに低い数値で推移している。

  バウアー、マーテンス両氏は「データには『今回は事情が異なる』という明確な証拠や、量的緩和(QE)のマクロ金融的効果の想定を理由に現行のイールドカーブの平たん化部分を無視すべきだというはっきりとした証拠は存在しない」と指摘する。

  その一方で、現在の利回り曲線平たん化は「差し迫ったリセッションのサインとなるものではない」と両氏は論評するとともに、相関関係は因果関係ではないと慎重な姿勢を示し、長短逆転とリセッションを結び付けるのが何なのか不明であるため、「予兆を巡る証拠を解釈するには大いに注意が必要だ」と論じた。

原題:Fed Economists Question ‘This Time Is Different’ for Yield Curve(抜粋)

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