Photographer: Tomohiro Ohsumi

日本株は小幅続伸、米・メキシコ合意で通商懸念後退-2万3000円場面

更新日時
  • 輸出や素材、海運中心上げる、日経平均昨年10月来の6日続伸
  • 午後に入り伸び悩む、米中関係の不透明感や高値警戒が重し
Photographer: Tomohiro Ohsumi

28日の東京株式相場は小幅に続伸。米国とメキシコの貿易協定合意で通商問題への懸念が後退し、日経平均は一時2カ月半ぶりに2万3000円を回復する場面もあった。自動車やゴム製品、機械など輸出株、非鉄金属や繊維など素材株、海運株が高い。

  TOPIXの終値は前日比2.68ポイント(0.2%)高の1731.63と3営業日続伸。日経平均株価は13円83銭(0.1%)高の2万2813円47銭と6日続伸し、昨年10月(16連騰)以来の連続上昇記録。

  岡三アセットマネジメントの前野達志シニアストラテジストは、「米国とメキシコの貿易協定合意を受け、徐々にトランプ米大統領も中間選挙に向け各国との通商問題をソフトランディングさせていくとの期待が出てきた」と指摘。米中貿易摩擦は根深いが、「米国の対中製品への2000億ドルの追加関税は大きな政策で、簡単には発動できるとは思わない、11月の米中首脳会談までは先送りになるとの見方があり、マーケットは足元の良いニュースをみている」と言う。

東証内

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  トランプ米大統領は27日、北米自由貿易協定(NAFTA)を打ち切り、メキシコとの新たな貿易協定に署名すると発表した。カナダに対し協定への参加を求め、トルドー首相と話をするとした。同日の米S&P500種株価指数は0.8%高の2896.74と連日で最高値を更新、ダウ工業株30種平均は250ドル以上上げた。

  SMBC日興証券投資情報部の松野利彦氏は、「トランプ大統領の通商政策での一つの合意は大きな前進」とし、特に懸念されていた自動車関連分野について「関税よりも部品の域内調達比率による合意は、今後の日本や欧州との協議でも一つの指針となり、解決の方向性が見えてきたことでマーケットに大きな安心感を与える」との認識を示した。

  この日の日本株は通商問題への懸念後退、米国株高の流れからリスク資産を選好する買いが朝方から入り、日経平均は一時200円以上上昇、日中ベースでは6月12日以来となる2万3000円台に乗せた。ただし、上昇ピッチの速さに対する警戒に加え、ボリンジャーバンドなど一部テクニカル指標は短期買われ過ぎの可能性を示唆しており、売り注文に押された午後は伸び悩んだ。大和証券の壁谷洋和チーフグローバルストラテジストは、過去半年で形成した日経平均2万3000円の節目を超えていくには新材料が必要で、米国と「カナダや欧州、日本などとの貿易問題の改善に期待がかかる」と話している。

  TOPIXと日経平均はともにきょうの安値引け。岡三アセットの前野氏は、「米国による貿易摩擦問題が晴れ始めたと期待される一方、米中協議の不透明感が続くとの警戒も根強く、市場は気迷い気味」と指摘した。トランプ大統領はメキシコとの合意発表の際、記者団に対し、通商政策を現在より一方的でないものにしようと取り組んでおり、中国からの交渉の申し入れを拒否すると発言。彼らは話したがっているが、今は話し合いに適した時期ではないと述べた。

  • 東証1部33業種は海運、ゴム製品、輸送用機器、機械、非鉄金属、繊維、証券・商品先物取引、不動産、鉄鋼など19業種が上昇、下落は水産・農林、小売、パルプ・紙、食料品、サービス、電気・ガス、医薬品など14業種
  • 売買代金上位では、米国とメキシコの合意は自動車業にポジティブと野村証券が評価し、日産自動車やホンダが高い、ファナックやコマツ、日本郵船も上昇
  • 半面、ファーストリテイリングや資生堂、イオン、東宝が下げ、みずほ証券が投資判断を「中立」に下げたすかいらーくホールディングスも安い
  • 東証1部の売買高は11億9595万株、売買代金は2兆1494億円、代金は8営業日ぶりに2兆円台を回復、値上がり銘柄数は1018、値下がり982
    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE